「頭がかゆい・・・。」
「はぁ!?風呂入んなさい、風呂EE:AE4E5」
あまりに眠くて風呂に入る暇がなかったのだが、頭がかゆいじゃないか。
ダンナは「今からでも風呂に入れ」と言うが、わかっちょるばい、しかし世の中、分かっているからといってそれができるかどうかはまた別問題なのである。私は猛烈に眠かったのだ。
「もう本当にかったるい、人間せ・・・、」
「だからもう!!本当に人間のクズだね!!」
人間洗濯機、というのをテレビで見たことがある。
日焼けマシン(良く知らないが)のようなカプセルに入ると、ブア~~ッと自動で洗ってくれるのである。
お笑い芸人がその中に入っていたが、決して快適そうではない。
自分は横になっているだけ、と言えば楽そうだが、ものすごいお湯が文字通りブア~~ッと流れ、それに「耐える」のである。
ほとんど「ネタ」と言っていいレベルの製品である。もちろんダンナにも不評であった。どんなに疲れてかったるくても、あれには入りたくない、と言う。
そんなものだろうか。私はあれですら、欲しい。
風呂に入りたくない、かったるい、というレベルがダンナとは段違いなのか、それとも忍耐力の差か、私は自ら進んであれに入りたいと願っている。
実用化されないだろうか。低価格で。
「せめて人間洗髪機でも・・・。」
「そんなものを買うんだったら俺が洗ってやるよEE:AE4E6」
違うのだ。あなたにはマリリン・モンローのほくろの魅力が、コバンザメが単体だと魅力がない理由が、おぼろ月夜の「おぼろ」の侘び寂びが理解できていない。
頭が綺麗になればいい、というそんな単純な話ではないのである。
ダンナに頭を洗ってもらうには、素っ裸になって風呂場に座る、ということになる。
中途半端に水しぶきが体にかかり、放置すれば気持ち悪いから結局洗うことになり、人間洗濯機はないので結局普通に風呂に入る羽目である。
私が求めているのは、美容院の洗髪のようなイメージだ。
それを頭にかぶると、ガシガシッとその機械の中だけで処理してくれるのである。
劇的な変化が起こっているのは頭だけで、その他の部分は影響しないという状態だ。
「そんなもの」ケッ、と笑うダンナ。「じゃあ作れば?自分で。」フンという勝ち誇った顔。
「いいですよ、作りますよ自分で。でも電気関係の知識がないのでね、人力にするよ。ハンドル回してねEE:AE595」
「なんでオレが・・・。」
「ダイエットダイエットEE:AE5BEそうだ、ハンドルなんて言わずに、自転車こぎにしよう。あなたは痩せる、私の頭は綺麗になる。痩せたい人と楽して頭を綺麗にしたい人、利害が一致するじゃないですか。」
実は「ものぐさグッズ」のアイデアは、リアルに考えたものもあったのだ。
酒を飲みながらゲームをやると、コントローラーで手がふさがってしまうので酒がなかなか飲めなくて困っていた。
胸元あたりに固定し、酒をボトルか何かに入れてこぼれにくくした上で、そこに長いストローかチューブを挿す。
もともとは「楽器を弾きながら飲む」というところから考えたもので、焼酎と割り物とふたつを固定して、2本ストローをくわえるというのも考えた。
これはもっと考えれば作れそうだったのだが、ゲームやってる間ぐらい酒はやめたほうがいいかということで、止めにしたのだった。
洗髪機の方はかなり本気で欲しいレベルなのに、技術がない。
観念して洗うしかないか。・・・ではなく、
臭くていい。