ビートルズのファンクラブから手紙が来た。
「ザ・ビートルズ・クラブ」、以前ダンナが入会してはいたが、なぜ今頃?
「ポールが来日する!!」それを手にしたダンナが驚いたように言った。
ええっ!?まだ来るか!?もう相当なご老体・・・。
「・・・これが最後になるかもしれない・・・。」いや、私はそこまで言ってないですけどEE:AE5B1
ということで、ポ-ル・マッカートニーのライブに行く事になったのだ。
ダンナは結構マニアックと言っていい程のビートル君だが、とりわけポールを愛していた。
私もビートルズは好きだが、解散してバラけてからは誰も積極的には聴いてこなかったのだ。
しかしダンナはひたすらにポールを愛し続け、前回のライブは私も一緒に行って、恐らく私よりも長く愛されているその人を見てきたのであった。
そればかりではない。
当時はまだファンクラブに入っていたので、どの飛行機のどの便で到着するかの情報が分かっており、空港まで行った(笑)
作られた通路で長い間彼を待ち、ダンナとポールをとらえる様にビデオカメラを構え、いざ現れたらあれよあれよと突き飛ばされはじき出され、結局ビデオには何も写っていなかったのだ。
あれは本当に恐ろしい体験であった。踏み潰されるかと思った。
一方ダンナは私とは逆に前へ前へ進み、ポールの手を触ったと喜んでいた。
この積極性、なぜ普段には発揮されないのだろうか。
そして私は、そこまでしてダンナに手を握られたりしたことがあっただろうか。
ファンクラブの手紙は、会員限定の先行予約の案内であった。
つまり、「ちょこっと早くチケットを売ってあげるから、もう1回ファンクラブに入りなさい」という脅しである。そしてダンナはまんまとそれに乗ってしまった。
数十冊もの封も開けられずにしまいこまれた会誌を思い出す。
「読むから」と言っているうちはまだ良かった。恐らくもうその存在すら忘れている事だろう。まだありますからね。
ファンクラブ再入会費8千円、チケット1万7千円×2。
確実にポールは私よりも愛されている・・・。