タイトル見て、癒されそうではないかと思い、買ってみた。
リリー・フランキー。
映画「東京タワー オカンとボクと、時々オトン」の原作を書いた人らしい。映画見てないが。
人生に行き詰ったり、心に傷をもったりした人ばかりを描いた6編の短編集である。
結婚を焦って農村に見合いに行くOL。新しい死刑制度を前に、死を予感しつつそれを受け入れていく17歳の少年。突然現れた見知らぬ男に、封印した過去を暴かれる主婦。何もかもがどうでも良くなり、全てを捨てて南の島へ向かう男。ただ毎日をダラダラ過ごしながらくすぶっている3人の少年。そして、どうせ終わるのだから、せめて最後に大きなことをしたいと思いつつ何もできない男。
恐らく作者は何かを私達に伝えようとしている。
それはその渦中にある人には衝撃を持って伝わるのだろうが、すまん、ちょっと共感できんかったEE:AE5B1
「人生なんてそんなもんなのさ、テキディージー」という気持ちになるはずなのだろう。
しかし例えが突飛過ぎて、単なる小説なのである。
この置き換えを自分に重ねてみることができれば、きっともっと感動できるのだろう。
エロもちょっとアレだしEE:AE4E6
ただ、2話目の「死刑」だけは、ものすごく面白かった。
思いがけず笑えたし、世の中の矛盾を風刺したりなど、軽く見せながらもずっしりとした内容で、最後は鳥肌が立った。
この1冊、同じ値段でこれ一編で良かった(笑)
ぽ子のオススメ度 ★★☆☆☆(「死刑」だけ★×5)
「ボロボロになった人へ」 リリー・フランキー
幻冬舎文庫