人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子55歳。

ボロボロになった人へ / リリー・フランキー

タイトル見て、癒されそうではないかと思い、買ってみた。

リリー・フランキー。

映画「東京タワー オカンとボクと、時々オトン」の原作を書いた人らしい。映画見てないが。

 

 

人生に行き詰ったり、心に傷をもったりした人ばかりを描いた6編の短編集である。

結婚を焦って農村に見合いに行くOL。新しい死刑制度を前に、死を予感しつつそれを受け入れていく17歳の少年。突然現れた見知らぬ男に、封印した過去を暴かれる主婦。何もかもがどうでも良くなり、全てを捨てて南の島へ向かう男。ただ毎日をダラダラ過ごしながらくすぶっている3人の少年。そして、どうせ終わるのだから、せめて最後に大きなことをしたいと思いつつ何もできない男。

 

恐らく作者は何かを私達に伝えようとしている。

それはその渦中にある人には衝撃を持って伝わるのだろうが、すまん、ちょっと共感できんかったEE:AE5B1

「人生なんてそんなもんなのさ、テキディージー」という気持ちになるはずなのだろう。

しかし例えが突飛過ぎて、単なる小説なのである。

この置き換えを自分に重ねてみることができれば、きっともっと感動できるのだろう。

エロもちょっとアレだしEE:AE4E6

 

ただ、2話目の「死刑」だけは、ものすごく面白かった。

思いがけず笑えたし、世の中の矛盾を風刺したりなど、軽く見せながらもずっしりとした内容で、最後は鳥肌が立った。

 

この1冊、同じ値段でこれ一編で良かった(笑)

 

 

ぽ子のオススメ度 ★★☆☆☆(「死刑」だけ★×5)

「ボロボロになった人へ」 リリー・フランキー

幻冬舎文庫