人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子56歳。

×0.5の審美眼

季節が変わり、衣替えをした。

急に寒くなったが、いざ長袖を着ようと思うと、まともな服がない。

穴が開いているとか汚れているとかいうことはないのだが、「これを着ている所を人に見られなくない」というものばかりなのである。

寒い時期の服は、着る枚数が多くなる分コーディネートが難しい。

布地も厚く大きくなるからか、夏物より高い気もする。

そもそも服を買いに出る機会がほとんどないのだ、そこへきてこの悪条件。

おのずと冬物は増えずにダサくなっていくのである。

家にいる分にはいい。

買い物ぐらいなら平気である。

しかし、ちょっと飲みに出たり、友人に会ったりするには着て行かれないようなものばかりだ。

この間書いたミッキーマウスもそうだが(今も着ている)、もう少ない手持ちでは限界である。

とは言え、服を買いに出るには不安であった。

自分ひとりでまともな服を選ぶ自信がないし、どうせ高い。

デザインも値段も気に入った服を買うには、どれ程歩かなくてはならないのか?

そこで思いついたのが、ネット通販であった。

これなら歩かずして何店舗でも閲覧できるし、選んだ服を家族に見てもらうこともできる。

すでに娘ぶー子が何度か購入していたこともあり、サイトはすぐにたくさん教えてもらうことができた。

「安いの。」とだけ条件をつけたが、確かに安い(笑)

しかし、安いには安い理由があるはずである。

通販の欠点は、手にとって見ることができないことだ。

「こんなのだったの!?」ということが起こりうるわけだ。

そこでモデルの写真を見た時に、「こう見えるけど、実はこうなっている可能性がある」と過小評価するようにした。

これはデザインはいいけど、布地が薄そうだ。

暖かそうだけど、すぐに毛玉ができそうだ。

こうしていくつかの服を買ったのだが、すでに届く前から若干の「難」が予想されるものばかりだ。

①ジャケット→布地が薄かろう。

②2枚セットのチュニック→こんなの着ている人を見たことがない。

③カーディガン→着こなせるだろうか。

④ポンチョに近いカーディガン→買った人のレビューが散々である。

本日をもって全て届いたが、私の予想はキッチリ当たったと言えよう。

まぁ言い方を変えれば予想通りだったのである、覚悟はできていた。

①のジャケットはふくらはぎまで長さのあるものだが、ジャケットというか、羽織りものである。Tシャツのような素材だ。ペラッペラ。

しかし色とデザインが気に入っているのだ、暖かい日に着るか、春を待つか、今のところ後悔はない。

②は、白の長袖とブルーのチュニックのセットだ。

白は普通のカットソーだが、チュニックの方はパーカーになっていて、体にピタッとフィットするもの。

体にピタッとなんて恐ろしいが、首とお腹のところはふんわりとしていて、腿のあたりで締まっているような形である。

この説明でこの服がイメージできた人はすごいと思うが、それだけ珍妙な服なのである。

そして色はブルー、色見本を見たが、まさにブルーである。鮮やかな青。

一度着てみたが、似合わないことこの上ない。

ブルーの服なんて、誰でも似合うものではないのである。珍妙だし。

③のカーディガンは、流行のドルマンスリーブ、つまりモモンガみたいなタプタプの袖になっているもので、色はブラウン。

ボタンはなく、羽織るタイプなのだが、着てみたら異様に地味であった。

問題の④。

エスニック柄の、これまたドルマンスリーブのカーディガンだが、レビューによると、一度着ただけでボタンが取れるという不良が多数、作りが悪い、内側に余計な糸がヒョロヒョロ出ている、臭い、色合いが写真と違う、袖が短い、ボタンホールが小さくて外しにくい・・・、ととにかく非常に評判が悪かったのだ。

しかし、柄と形はとても可愛い。

なので文句は言っても「直して着てます」という人も多かった。

いつも安物を着ているのだ、そんなに気にならないかもしれないし、不良箇所は直せばいいと腹をくくったのである。

いや~~。これは(笑)

まず、色、違うやんEE:AE5B1

同じものなのだろうが、写真の方が鮮やかで、まるで加工して色合いを変えたのではないかという程であった。

なので実物を最初に見た印象は、「地味」であった。

そして、言われていたように作りが悪い。

各パーツの結合が雑なのである。裏の毛糸が表に出ている部分もある。

しかしこれは許容範囲だ。この程度なら良く着ている。

そして一番クレームの多かったボタン周りだが、アッハッハァ~EE:AEB64ひどいわ、こりゃ。

ニットにつけるのに、ふつうの糸でサッと通しただけである。引っ張れば抜ける。

ボタンは牛角ボタンという棒状のものだが、対するボタンホールはほんの1センチほど。

ここを通すためにはボタンを無理に引っ張ることになるだろうし、引っ張ればボタンは取れてしまうという構造だ。

しかしこれは案外気にならなかった。

分かっていたので用心して外したし、あとでちゃんと付け直せばいい。

その他、袖の長さや臭いなどは問題なかったので、私が許せなかったのは色合いだけであった。

こんな粗悪品をここまで許せるのだ、これまで幾多の粗悪品を着てきた賜物であるが、「地味」だけはどうしようもない。

彩度アップの染料でも売ってないだろうか。

通販での落とし穴は手にとって見れないことだが、もうひとつ。

「モデルが着ているようにはならない」ということも分かった。

可愛い、と思っても、それは自分ではないのである。

やっぱり私は、ミッキーマウスが一番似合っているのかもしれない。