季節が変わり、衣替えをした。
急に寒くなったが、いざ長袖を着ようと思うと、まともな服がない。
穴が開いているとか汚れているとかいうことはないのだが、「これを着ている所を人に見られなくない」というものばかりなのである。
寒い時期の服は、着る枚数が多くなる分コーディネートが難しい。
布地も厚く大きくなるからか、夏物より高い気もする。
そもそも服を買いに出る機会がほとんどないのだ、そこへきてこの悪条件。
おのずと冬物は増えずにダサくなっていくのである。
家にいる分にはいい。
買い物ぐらいなら平気である。
しかし、ちょっと飲みに出たり、友人に会ったりするには着て行かれないようなものばかりだ。
この間書いたミッキーマウスもそうだが(今も着ている)、もう少ない手持ちでは限界である。
とは言え、服を買いに出るには不安であった。
自分ひとりでまともな服を選ぶ自信がないし、どうせ高い。
デザインも値段も気に入った服を買うには、どれ程歩かなくてはならないのか?
そこで思いついたのが、ネット通販であった。
これなら歩かずして何店舗でも閲覧できるし、選んだ服を家族に見てもらうこともできる。
すでに娘ぶー子が何度か購入していたこともあり、サイトはすぐにたくさん教えてもらうことができた。
「安いの。」とだけ条件をつけたが、確かに安い(笑)
しかし、安いには安い理由があるはずである。
通販の欠点は、手にとって見ることができないことだ。
「こんなのだったの!?」ということが起こりうるわけだ。
そこでモデルの写真を見た時に、「こう見えるけど、実はこうなっている可能性がある」と過小評価するようにした。
これはデザインはいいけど、布地が薄そうだ。
暖かそうだけど、すぐに毛玉ができそうだ。
こうしていくつかの服を買ったのだが、すでに届く前から若干の「難」が予想されるものばかりだ。
①ジャケット→布地が薄かろう。
②2枚セットのチュニック→こんなの着ている人を見たことがない。
③カーディガン→着こなせるだろうか。
④ポンチョに近いカーディガン→買った人のレビューが散々である。
本日をもって全て届いたが、私の予想はキッチリ当たったと言えよう。
まぁ言い方を変えれば予想通りだったのである、覚悟はできていた。
①のジャケットはふくらはぎまで長さのあるものだが、ジャケットというか、羽織りものである。Tシャツのような素材だ。ペラッペラ。
しかし色とデザインが気に入っているのだ、暖かい日に着るか、春を待つか、今のところ後悔はない。
②は、白の長袖とブルーのチュニックのセットだ。
白は普通のカットソーだが、チュニックの方はパーカーになっていて、体にピタッとフィットするもの。
体にピタッとなんて恐ろしいが、首とお腹のところはふんわりとしていて、腿のあたりで締まっているような形である。
この説明でこの服がイメージできた人はすごいと思うが、それだけ珍妙な服なのである。
そして色はブルー、色見本を見たが、まさにブルーである。鮮やかな青。
一度着てみたが、似合わないことこの上ない。
ブルーの服なんて、誰でも似合うものではないのである。珍妙だし。
③のカーディガンは、流行のドルマンスリーブ、つまりモモンガみたいなタプタプの袖になっているもので、色はブラウン。
ボタンはなく、羽織るタイプなのだが、着てみたら異様に地味であった。
問題の④。
エスニック柄の、これまたドルマンスリーブのカーディガンだが、レビューによると、一度着ただけでボタンが取れるという不良が多数、作りが悪い、内側に余計な糸がヒョロヒョロ出ている、臭い、色合いが写真と違う、袖が短い、ボタンホールが小さくて外しにくい・・・、ととにかく非常に評判が悪かったのだ。
しかし、柄と形はとても可愛い。
なので文句は言っても「直して着てます」という人も多かった。
いつも安物を着ているのだ、そんなに気にならないかもしれないし、不良箇所は直せばいいと腹をくくったのである。
いや~~。これは(笑)
まず、色、違うやんEE:AE5B1
同じものなのだろうが、写真の方が鮮やかで、まるで加工して色合いを変えたのではないかという程であった。
なので実物を最初に見た印象は、「地味」であった。
そして、言われていたように作りが悪い。
各パーツの結合が雑なのである。裏の毛糸が表に出ている部分もある。
しかしこれは許容範囲だ。この程度なら良く着ている。
そして一番クレームの多かったボタン周りだが、アッハッハァ~EE:AEB64ひどいわ、こりゃ。
ニットにつけるのに、ふつうの糸でサッと通しただけである。引っ張れば抜ける。
ボタンは牛角ボタンという棒状のものだが、対するボタンホールはほんの1センチほど。
ここを通すためにはボタンを無理に引っ張ることになるだろうし、引っ張ればボタンは取れてしまうという構造だ。
しかしこれは案外気にならなかった。
分かっていたので用心して外したし、あとでちゃんと付け直せばいい。
その他、袖の長さや臭いなどは問題なかったので、私が許せなかったのは色合いだけであった。
こんな粗悪品をここまで許せるのだ、これまで幾多の粗悪品を着てきた賜物であるが、「地味」だけはどうしようもない。
彩度アップの染料でも売ってないだろうか。
通販での落とし穴は手にとって見れないことだが、もうひとつ。
「モデルが着ているようにはならない」ということも分かった。
可愛い、と思っても、それは自分ではないのである。
やっぱり私は、ミッキーマウスが一番似合っているのかもしれない。