バンド方面にかまけていてすっかり忘れていたが、10月10日は娘ぶー子の誕生日であった。
それに気づいたのは2日ほど前だが、いかんせん平日、準備不足、金がない。
どうしたものかと話していたが、まぁもう22歳である。子供のように祝うこともあるまい、という結論であった。
かと言って完全スルーでは悲しすぎるので、夜はちゃんと帰って来いと言ってあった。
帰って来てもらったところで、どうしたらいいのかはサッパリわからなかったが。
そして、水曜日であった。
私は、今週こそ飲まないで平日をやり過ごすつもりであった。
まぁ盛大なパーティをやる訳でもないなら、酒を飲む必要もないだろう。
幸い日曜日の深酒が効いて、まだ「飲みたい」という気持ちにはなっていなかった。
悪いが地味な誕生日になるよ、ぶー子よ。
財布の中はカラッポだったので、埋蔵金の中から出すことになった。
野生の小動物のように、浮いた小金が出てきたら、あちこちに隠しているのである。
あまりにあちこちに散らし過ぎて自分でも場所がわからなくなるあたりも、小動物と一緒である。
そこから2千円を財布に入れて買い物に出たが、晩御飯の買い出しをしたら千円しか残らなかった。
これでぶー子にちょっとしたスペシャルができれば、と思っていたのだが・・・、千円。
そもそも誕生日の夜に、家に帰ってくるだろうか。
準備なんかしても、帰ってこない可能性もあるのである。
一応帰れとは言ってあるが、親心としては友達の誘いを断ってまで帰ってきてもらう状態ではなかった。
千円。
千円で日持ちするスペシャル感。
ぶー子は甘いものが好きだ。
それなら手作りのパフェでも作ってみるか。
パフェなら見た目もゴージャスだし、簡単そうだ。
ぶー子の好きなものをコップに入れていけばいいだけである。
かくして深夜12時に娘ぶー子が食べたのは、私が作ったパフェであった。
家で一番大きなコップを出し、まずフルーツの入ったヨーグルトを入れ、キューブ型のウエハースを数個放り込み、チョコバニラのアイスクリームを詰め、マーブルチョコを振り入れ、プリンを乗せ、いちごポッキーを刺した。
正直・・・、やりすぎた・・・、と思ったのは最後のポッキーを入れてからである。
いくら甘いものが好きといっても、この時間にここまで・・・EE:AE4E6
無節操にも程がある。
最後に到達したのは一番最初に入れたヨーグルトだが、ウエハースと一緒にそれは残したので、ちょっと安心したぐらいである。
ぶー子は職場のまかないも食べずに楽しみに帰ってきたとの事。
すまぬ、埋め合わせは必ず。
そして私だが、面白いように昼までの決心は忘れ、2時まで飲んでおった。
おかげで今日1日、台無しである。