第2期エアロビの日であった。
先週体調が良くないので休んだが、人間、続けていた物事から一度距離を置いてしまうと、なかなか腰が上がらないものである。
忍び寄る老化と戦うために前向きに取り組んでいたはずだが、今日はもうかったるくてしょうがない。
学生時代に良くあった現象である。
一度休むと行きたくなくなる。
また休めばますます行きたくなくなる。
社会はそんな私を待っていてはくれないのだ。どんどん遅れをとる事になるのは分かっているが、あぁもう今日は行きたくないのー。というか、金輪際、行きたくないぐらいだ。
行きたくないあまりに出発30分前に衣替えに着手し、「気がついたら時間が過ぎていますように」と願った。
衣替えに夢中になって自分の用事を忘れるなんて、けなげな話じゃないか。
周囲は感動し、私はエアロビに行かなくて済む。究極のハッピーエンドだ。
しかし、衣替えとてやりたい仕事ではないのだ。時間の流れは遅い。
根負けした。
行けばいいんでしょ、もうEE:AEACE
スポーツセンターの手前は、なだらかな上り坂だ。自転車をこぐ足に力が入る。
ウーEE:AE4E6
き、キツい・・・。
午前の曇り空はもうすっかり晴れ渡り、私の体力を奪っていく。
これは・・・、ちょっとエアロビどころじゃないのでは・・・EE:AEAA6
そうだった、私は暑さに弱いのであった。この暑さでエアロビなんて、無理無理。
どうかスポーツセンターについた私は、グッタリしていますように。
「頑張ってスポセンまでは行ったのに、体がついて来なかったの・・・。」なんてけなげなの!!
・・・案外、丈夫であった。
楽ではなかったが余力はあったので、観念して会場に向かう。
毎回エアロビに入る前にまず、音楽に乗せて踊りながらストレッチをする。
内容は「今回はこんなのをやってみました」という感じに微妙に違うこともあり、今日は肩のストレッチを重点的にやったのだ。
重点的に。
徹底的に。
腕はずっと上げっぱなしである。大きく伸ばしたまま回したり、引っ張ったり。
娘ぶー子が小さい頃、保育園で阿波踊りを踊らされた事があったが、あれは拷問であった。
腕を下げられないというだけで、とても辛いのである。
その頃はまだ20代半ばだったが、それでも辛かったものを今、43歳の私が、振ったり伸ばしたりとさらに高度な事をやっているのである。
エアロビというものはダンスと同じで、リズムに乗って動いている。
先生も「動きが小さくなってもおかしくても構わないから、止まったり遅れたりしないように!」と常々言っている。
小さくしたい、遅れたいEE:AEB64
なんでみんな普通にできるのだ?ハッ。
そうだった、私は暑さに弱いのだ。私は特別なのである。私だけが辛いのである。
決めた。
夏のエアロビなんて御免だ。
虚弱な私は家で寝ているべきなのである。もしくはテレビ画面を見て指先だけ動かすか。
そのうえ先週休んだ分、習ってないところができてしまい、見事にそこだけひとり取り残されてしまった。
もうイヤEE:AEB64もう私、エアロビなんてやらない!!
昔の少女マンガに出てきた、わがままお嬢様気分である。
具合が悪い人は遠慮なく下がって休んでいいと言われていたが、なかなかそれもできることではない。
下がるも踊るも同じぐらいキツいのだ、こうなったら仕方がない、倒れるまで踊り続けよう。
しかしやがて体が慣れてきたのか、苦痛はなくなってきた。
踊れなかった部分も、何度も繰り返しているうちに「まがいもの」程度にまでは追いついた。
しょうがねぇ、今日のところは勘弁してやる、ちょっとすがすがしい気持ちでそんな風に思う。
「できなくていいんです。おかしくていいんです。でも毎週こうして繰り返していると、前回できなかったことがひとつできるようになったりします。それが楽しいんですよ。必ずできるようになります。必ず。」
練習の終わりに先生はそう言った。
それと、水分を摂って汗を出す習慣をつければ、夏バテに強くなるとも。
今期のエアロビはあと3回である。