人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子55歳。

極道テイスト

ドラマティックな一日であった。

娘ぶー子が着物を着て、注文したカメラが届いた。

もう今日の日記はこの2行だけでもいい。

成人式の着物の案内は、ずいぶん前からたくさん届いていた。

「ずいぶん前」の段階では「まだまだ先」と鼻にもかけず、「ちょっと前」になると「そろそろか」と思い、「いよいよだ」となっても「いよいよだなぁ」と思っただけで、「そろそろ何とかしないと」という頃にはぶー子が動かない。

そんなこんなで、10月に入ってしまった。

相変わらずぶー子は時間を作る気配がなく、しまいには「はぁ別にもうスーツでも何でもいいし。」とまで言うので、途方に暮れていた。

この頃のぶー子に関しては途方に暮れることばかりで、私は少々疲れていた。

そんな時、急に「今週末、日曜なら空いてる。」と言い出したのだ。

急遽、着物屋に行く事になった。

もうギリギリであった。

写真撮影も「前撮り」という成人式前の撮影の日は緊急枠の一日しか残っておらず、品物も残り少ないと言う。

何でもかんでもギリギリ人生である。

思えば受験対策も習い事も予防接種も、子供の行事全般、ギリギリでいつもバタバタしていた。

ウスラボケが私一人ならまだもうちょっと何とかなっただろうが、親子でウスラボケだとギリギリ人生にならざるを得ないのである。

逆でも良かった、私は自分のウスラボケ加減を非常に反省した・・・、毎度反省しているはずなのだが。

と言う事で、今日は朝イチで着物屋だ。

ウスラボケに「朝イチ」という言葉はないが、店の方がそう言ってきたので仕方がない。

もうギリギリなのだ。後がないのである。

30分ぐらいで終わるかと思っていたら、これがもう、着物をとっかえひっかえして2時間である。

アンケートの「好みのタイプ」に「極道風」と書いたぶー子は、黒と紫の地味めなものを数枚選んできた。

1枚ずつ羽織り、迷い、やっと決まると今度は中に着る襟と、「重襟」という重ね着してチラ見えする襟の選択。

ほんの2センチほどしか見えない襟である。

レンタルだと1種だが、もう1枚重ねるほうがいいと言い、これら3つの襟をとっかえひっかえで数十分。

同じような感じで帯、帯の上にチラ見えする布2本。

こっちの色がいいか、いやこっちはどうだ、でもこっちをこれにするとこっちに合わない、じゃあもう1本だけにしたら、そうする、やっぱり変、じゃあ2本、いやさっきの方が、さんざん迷った挙句、一番最初に勧められた組み合わせに決まる。

そうこうしている間に、ぶー子ぐらいの年頃の女の子が続々来店してきた。

「ほらほら、まだまだ(ウスラボケの)仲間がいるよEE:AE471」とぶー子が小声で言ったが、みんな卒業式用のはかま組であった。

遅い、私たちは遅すぎるのだよ・・・。

2時間かけて組み合わせが決まり、時間をかけて明細をプリントアウトしてもらった後に、「そう言えばぞうりは?」という問題が勃発、というか、レンタルの場合ぞうりは決まっちゃってるらしいのだが、「こっちの方がいいかも・・・。」と出してあった別料金のセットとダンナの顔を交互に見た。

かくして明細を書き換え、いよいよシメの形式的な「おわりのことば」をダンナとスタッフが交わしていると、ぶー子が「あの髪飾り良くない?」と私に耳打ちした。

ヤフオク見てからにしよう、となだめ、明細の書き換えはしないで済んだが、「成人式当日の着付けと髪のセットをお忘れなく・・・。」と言われ、まだ終わっていない事を知った。

そうかッ、当日に関してはここではやってくれないのか。

どこまでウスラボケなんだEE:AEB64

写真撮影なら日にちを分散する事ができるが、当日は一日勝負だ、こっちの方の予約のほうがシビアではないか。

本当に無事に迎えられるのだろうか、成人式。

というか、他にウスラボケている行事はないか??

もう親としての仕事に自信がない。