もう何度も書いているが、ぽ子は今「モンスターハンター」というネットゲームにハマッている。
このゲームはタイトルの通り、モンスターをハントするゲームである。
しかしモンスターと言っても、一つ目の毛むくじゃらだったり、巨大なイモムシだったりする訳ではない。
実在するものにごく近い形の恐竜や動物なのである。
ゲームを始めた当初は練習用のクエストが用意されているのでそこでまず練習を重ねるのだが、最初の敵は、無抵抗な草食動物である。
中には小ぶりのシカのような動物もいて、我が家のエルを思わせるその姿に攻撃をためらったものである。
リアルなのは見た目もそうだが、動きもまた然りで、こと切れる寸前までバタバタと暴れ、種類によっては最後の力を振り絞って立ち上がるものもいる。
私は最初このリアルな残酷さに心を痛め、ダンナと娘ぶー子は私のプレイを見て、そして自分自身でプレイして、2度「可哀想・・・。」と呟いていた。
それだけでは終わらない。
倒した動物から素材を剥ぎ取るのが基本である。
剥ぎ取った素材を使って武器や防具などの装備品を作り、自分を強くしていくのである。
スタミナ回復の食材になる「生肉」が採れるものも多いが、手に持てるアイテムの数が少ないので、捨てやすいアイテムのひとつでもある。
場合によっては無抵抗の草食動物を袋叩きにし、生肉を剥ぎ、荷物がいっぱいだからその場で捨てる、なんていう事もある。
しかしだんだん強い敵と戦うことになる。
そうなると情けは無用だ。
見た目は大型の恐竜、火を噴き、尻尾を振り回し、突っつき、踏み潰し、情けなんて掛けていたらこっちがやられてしまうのだ。本気である。
大きなハンマーで、剣で、弓で、よってたかって叩きのめす。
しかしこの恐竜たちも、やがて力を失っていく。
脚を引きずって、口を大きく開き、命からがら逃げていくのだ。
こうなると哀れである。
たいていこの後、回復するためにどこかに飛んでいくが、最近では「可哀想」も「よっしゃ、あと一歩だ!」の喜びに変わってきた。
こうしてだんだん麻痺していくのである。
中には死んだフリをする恐竜もいた。
私はそれに騙されて反撃を食らい何度も死んだが、最近ダンナとその恐竜を倒しに行った時に、「何か落ちてる」と彼は何かを拾った。
まさにヤツの死んだフリの最中であった。
その体の近くに何かが光って落ちていたというのだ。
ダンナが拾ったものは「竜のナミダ」というアイテムであった。
ゲリョスは彼の住む沼地で悠々と暮らしていたのだろうが、偶然私たちと出会ってしまい、いわれのない暴力に命を落とすのだが、何とか生き延びようと死んだフリをしたその時、ひとつぶの涙を落としたのである。
やっと脚を引きずる姿にも慣れてきたと言うのに、今度は涙である。
ゲリョスはその後脚を引きずりながら逃げた先で、「おっしゃ、もう少し!!」と言われつつこの世を去るのであった。
ゲームのシステムも面白いし、寄り道、こだわり要素も満載、かつリアル。
これまでプレイしたゲームの中で郡を抜いて素晴らしいと評価したいゲームだが、何か大切なものを失っていきはしないか、時々不安になる。
人の親として、これは子供には薦めない。
ぶー子には薦めたが、それは彼女がゲームをできる時間が少ないと分かっていたからである。
家族の交流として初回だけ金を出した。
モンハンをプレイする同志よ、時々動物園に行ってリセットしてみないか??