人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子55歳。

最も辛い労働

コンビニの店員、クリーニング工場のスタッフ、宅急便の配達、旅館の仲居・・・。

これまで様々な仕事をしたが、もしかしたらこれは一番キツいかもしれない。

絵のモデルEE:AEB67

私が勤めている会社の仕事が暇になっていたので、先月数回、母の所属する油絵クラブのモデルのバイトをしたのだが、結構いいお金になるので今月も2回程引き受けたのだった。

座ってるだけの楽な仕事だが、この「楽な」がムチャクチャキツいのである。

創造性、生産性は皆無で、ひたすら睡魔と戦う忍耐のみである。

これまで私が携わった仕事の中で一番キツかったのはクリーニング工場だが、それでもそこには労働の喜びがあった。

どんな仕事にも工夫や合理化など、考えれば努力の余地はいくらでもあるのだ。

そこに自分の創造力が問われる。

つまらない仕事などありはしない。

・・・くはなかったのだッ。

この「絵のモデル」たる仕事は、どこにも創造力を挟む余地がない。

ただ座り、時間が来るのを待つだけである。

あえて何かを生産するとしたら、「いかに睡魔から逃れるか」の知恵を考え出すことぐらいだ。

私はこの生産に、心して取りかかった。

結果コーヒーを3缶ガブ飲みしたのだが、胸焼けがして気持ち悪くなった。

そこへおやつにポテトチップスと椎茸の干したものが出てきたので、事態はより悪化した。

「若い人、たくさん食べてねぇEE:AE595

私はもう40で決して若くはないが、この老人油絵クラブに来ればうら若きエンジェルである。

ほらほら、と他の人よりも多く菓子を振舞われるが、胸焼けしてるところに菓子とな・・・。

小袋に入ったものは持って帰れるが、まんま出されたポテチと椎茸は最低ノルマだ。

今回のポーズはイスに座って頬杖をつく、というもので、睡魔がより近くなった。

その上、私は右手で頬杖をついていたが、首が右に傾くので、ピンと伸ばされた首の左側がだんだん痛くなってきた。

ついている右肘も、重みで痛んでくる。

眠い・・・。

痛い・・・。

気持ち悪い・・・。

1時から5時まで。

15分か20分おきに休憩。

前後に20分ほど準備と片付けの時間があり、3時頃にやはり20分ほどのおやつ休憩が入る。

これで6千円。

いい収入になるが、それにはやはり訳がある。

人間、一番辛いのは、何もしない事である。