人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子55歳。

う~~~、グロッキーだ。

正確に言うと、グロッキーだった。過去形。

眠れないのだ、酒がないと。

先週、先々週あたりは結構飲んでいたので、翌日を犠牲にして睡眠時間の確保はできた。

良く眠れるのだが、飲むと飲み過ぎてしまい、次の日が使い物にならないのだ。

それなら寝不足で使い物にならない方がいいんじゃないかと、また酒を断っている平日だが、眠れんっ!

私はゆっくりその扉の方に向かって歩いていく。

気持ち良くまどろんで、そのドアに手を伸ばす。

眠りの扉である。

この先に入りさえすれば、あとは夢の世界なのだ。

ところがひとつ、決まり事がある。

この扉をくぐる所を誰にも見られてはいけないのだ。

ところが毎回、扉に手をかけたところで見られてしまうのだ。

この私に。

私は誰にも見つからないように慎重に慎重にドアに近づいていくのだが、緊張のあまりに自分自身でそんな自分を見つけてしまうのだ。

「はっ!!」と言って、唐突に現実につき返される。

あまりに突然の事で、心臓がバクバクしている。

そして、くそー、今夜も気がついてしまった、と悔しい思いをするのだが、ここからが長い。

なまじっかまどろんだだけに仮眠をとったような感じになり、パッチリ目が覚めてしまうのだ。

私はトコトン眠くなるまで本や雑誌を読んでから電気を消している。

そのままスーッと眠りに落ちそうになったはずだが、次にはこれだ。

こうなると今度は色んな物音が気になってくる。

昨日はバイクが来た。

夜中の1時とか1時半とか、そんな時間である。

我が家のある住宅地は袋小路になっていて、ここの住民かここに用のある者しか入って来ないはずだが、その原チャリっぽい音はこちらの方に来てしばらく止まり、また去って行ったのである。

誰が??

何しに??

気になる気になる気になる(泣)

放火??

ドロボーの下見??

あぁこのまま寝てしまったら、目が覚めるのはあっちの世界かもしれない。

私は「何事もなかった場合」を考えることにした。

あのバイクは、方向転換するために、ここに入って来た。

何かの調査の仕事。

チラシ配布。

どれもありえねー!!

私はついに窓を開けて外を見た。

寝室の窓を全部開けたが、怪しい変化は何も見つけられなかった。

どこの家の明かりも消えていたが、斜め向かいのひと部屋だけが、暗い部屋でテレビでも見ているのか、チラチラと色んな色が揺れていた。

完全に目が覚めた。

単純に覚めている状態を通り過ぎ、バイクのせいで興奮気味だ。

開き直って雑誌の続きを読もうか迷ったが、それは止めて、今日の午前中に二度寝する事に決めた。

「二度寝」という言葉の心地よさに、このあとは自然に寝てしまったようだ。

なので、今日は二度寝をした。

ゲームをやったらそのままソファで横になったが、爆睡してしまい、気がついたら昼前であった。

それでも二日酔いよりは全然マシであった。

ドラクエやるまで家事ができた。

それにしても、夜になると目が冴えてくるから不思議である。

今夜も眠れない予感だ。