人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子56歳。

プニュプニュヘ~ポニョ

目覚しが鳴る前に、娘ぶー子の携帯のアラームが鳴り出した。

私の目覚しだって早めの時間にセットしてあるのに、それよりさらに早い時間である。

「プニュプニュヘ~ポニョ、プニュプニュヘ~」という、あり得ない歌詞のHIPHOPだ。ふざけるな。

それは5分後にまた鳴った。

これまでの経験だと、ぶー子は二度目には気付かない。

案の定、「鳴ってる(怒)」という私の声に反応してやっと止めた。

クソ。

私は寝起きが悪い。

目覚しなんか鳴ったって、一向に目なんか覚めやしない。

しかしだよ、こういう忌々しい起こされ方をすると、まだ時間に余裕があるにも関わらず、すっかり目が覚めてしまう。

だったらどうせぶー子は起きやしないのだから、毎朝自分が起きる時間にぶー子のプニュプニュヘ~をセットすればいいじゃないかと言われそうだが、そんなに簡単なことではない。

自分のためにセットされているという事実が、もう眠い。

なかなかその辺の心理的な駆け引きが難しいのだよ、目覚しとは。

散々書いたが、実際には10分早いだけであった。

しかしこんなに忌々しい目覚めはない。

今日も二度寝か。

あぁもう、ぽ子は平日5日間二度寝をしないなど、永遠にできないのだろうか。

天気予報は、夕方から雨であった。

さすがにここまで天気が不安定で洗濯物がたまると、私ですら不安になってくる。

夕立だ雷雨だと、そんな心配していたらいつまで経っても洗濯などできない季節である。

かと言って仕事中に雨に降られて、干した洗濯物に手も足も出ないのは耐え難い。

洗濯、中止。

やばい、眠くなるぞ。

私はコーヒーを持って音楽室に行き、アホのように結婚行進曲を弾きまくり、ギターでS&Gの「サウンド・オブ・サイレンス」の練習をした。

練習と言っても、8小節だ。

音の数は3つか6つか、ペケペケとポコポコとトケペケだ。

ペが鳴ればケが鳴らない。

9割がたミュートされるが、これでも成長している。

2週間で1割ほど音が鳴るようになっているのだ。

2週間で1割(泣)

ピアノギターが終わったら、ついでにそこにずっと放置してあった洗濯物をたたんだ。

たたんだら眠くなったので、ゲームをやった。

ゲームを終えてコントローラーを置いたら眠くなった。

チョキより強い、グー・・・。

気がついたら10時過ぎていた。

しまった!!いや、まだ時間はある!!

目覚しに惣菜パンを食べ、風呂場に行く。

こちらも長い間ほったらかしだったので、カビだらけだ。

いつもなら洗剤でゴシゴシこするのだが、お前ら、そんなに増殖して調子に乗りやがって、こっちにはこんなものがあるんだぞ!!

カビキラー☆

普通の洗剤より高いので、ここ1発の時にだけ登場するスーパーヒーローだ。

まさに今日はそのここ1発にふさわしい。

風呂場にこもってカビをキルしていたら、鼻がバカになってしまった。

あの漂白剤は結構キツい臭いがするのだが、ずっとその中にいたらそれが普通になってしまい、正常なはずのリビングが臭くてたまらない。

まぁエルあたりが相変わらずあちこちで粗相をしているので、本当に臭かったのかもしれないが。

爆発でもしたらたまらないと心配で、ずっと換気扇を回していた。

猫が死ぬんじゃないかと不安だったが、ぽ子は仕事に行かなくてはならない。

3時の休憩にぶー子から「猫は無事」とのメールが来て、やっと安心した。

ぶー子はまたダンスの練習に出掛けたが、その間にぶー子の布団をぶー子のベッドに戻し、その真ん中に「強制送還」と大きく書いた紙をスティッチのぬいぐるみに貼って置いた。

くどいが、ぽ子は寝不足に弱い。

今夜は11時に布団に入り、12時まで本を読んで、6時20分に起きる。

ぶー子はひとりで寝て、プニュプニュヘ~ポニョで起きるが良い。