友人のサイトで久しぶりにこの懐かしいタイトルを見たら、どうしても観たくなった。
1988年の日本映画である。
監督:大林宣彦
原作:山田太一
キャスト:風間杜夫 、名取裕子
とても感動した覚えがあるが、ほとんど内容は覚えていなかった。
初めて観るような気持ちで観る事になった。
40になる原田は妻と別れ、孤独に暮らしていたが、ある日、12歳の時に死に別れた両親と出会う。
懐かしさから「怖い」とも「なぜ」とも思わず、頻繁に彼らの家を訪れるようになるのだが、同じマンションに住む新しい恋人は、もう彼らと会ってはいけないときつく言う。
原田が気付かぬところで彼自身がどんどん蝕まれていたのだが、果たしてあの優しい両親と会うのがそんなにいけないことなのか?
彼らはいつもそこにいる。
あの時の、あの生活のままで。
原田は別れを言い出すのか?
いや、驚いた。
昔とは言え、一度観た映画なのだが、何だこの古臭さは(笑)
80年代とはこんな時代だったか?
言葉遣い、変だぞ。こんな風に喋ったりしていたか?
とにかく、主人公・原田のオカマのような喋り方、芝居じみたセリフ。
違和感があり、素直に入り込めない。
それにバックに流れる音楽がまた、変にのどかで古臭い。
テンポも悪い。
ゆったりと情景を描いているのだろうが、こちらは映画に入り込めていないのでまだるっこしいだけだ。
クライマックスのホラーっぷりもやり過ぎで冷める。
とことん最後まで不思議な穏やかな感じでやって欲しかった。
ただ、やはりストーリーは良かった。
死に別れた両親との再会。
やはり「怖い」でも「なぜ」でもないのだ。
誰しも原田のように何度も会いにいく事だろう。
切ない気持ちになる。
両親役の片岡鶴太郎と秋吉久美子のちゃきちゃきの江戸っ子ぶりが、粋でカッコいい。
どうやら彼らの家近辺はさらに時代をさかのぼっているようだが、古いアパートに扇風機、窓際に朝顔。
古き良き時代の日本である。
私には記憶にない時代だが、どこか懐かしい気持ちにさせる。
日本人の心を揺さぶる景色だ。
リメイク版ができれば凄くいいものができそうである。
残念ながら、時間が経って色褪せてしまった作品だ。
ぽ子のオススメ度 ★★★☆☆
ダンナのオススメ度 ★★★★☆ 時代がいい。ラスト意外!
ぶー子のオススメ度 ★★☆☆☆ 古臭い。ひねりが甘い。