人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子56歳。

リタイヤ・・・昨日のこと

なはは・・・。

昨日は酔っ払って記事になってなかったので。

気がついたらソファで寝てた。at4時。

いや~、飲んだ飲んだ。

久しぶりのウォーキングだ。

ダンナのギターレッスンが休みだったから、ちょっと遠出。

天気もいいし、こりゃいい散歩になりそうだぞ。

目的地は本川越。

小江戸号に乗りたいために一度新宿まで出るつもりが、バスの中でタイムアップ。

「この電車に乗らないと、目的のラーメン屋に間に合わない」という電車を逃してしまった。

走ったのに・・・。

新青梅街道め、なぜいつもなかなか渡らせてくれないのだ。

小江戸号は諦めて、久米川の駅前でコンビニのおにぎりを食べる。

日差しが暖かい。

ウォーキングを始めてまだ2ヶ月だが、初めて季節の移り変わりを感じた瞬間である。

「もう春だね。」

そう言い合って、いつもより軽装で来て正解だったと思った。

本川越に着くまでは。

駅に降り立つと、天気は変わりつつあった。

先程まで暖かい日差しを降り注いでいた太陽は雲に隠れ、風が強く吹いていた。

「さ、寒い・・・。」

手袋を出し、上着のファスナーを閉める。

この暖かいのにダウンジャケットを着てきた私をダンナはせせら笑ったが、私の勝ちである。

目的のラーメン屋までここから歩く予定だったが、チラホラとみぞれまじりの雨が降り出し、完全にくじけた私達はバスで行く事にした。

しかし全く馴染みのない土地である。

どのバスに乗るか、そこからだ。

駅の中の窓口2ヶ所、観光案内、それでも分からず交番に入った。

おまわりさんはとても親切だったが、バスは非常に不親切であった。

おまわりさんはあちこちに電話をかけて、こう言った。

「そこに行くバスは、1本しかないんですよ、1週間に1本。それは朝もう出てしまいました。」

へ?どれだけ辺鄙なとこにあるんだ、これから行くラーメン屋は。

ちょっと待って、と言って別のバス会社も調べてくれたが、こちらももう最後のバスが出た後だった。

「かなり歩く事になりますが・・・。」と言って教えてもらった一番近い停留所は、埼玉医大であった。

ここならタクシーがいると思いますよ、と言われたが、まぁそもそもウォーキングも兼ねてここから歩くつもりだったのだ。

医大から歩けばいい。

しかし医大でバスを降りると、外はとんでもない事になっていた。

まるで私達を拒むかのような、強烈な向かい風。

先に進もうにも、もの凄い圧力で押さえつけてくる。

「ムチャクチャ歓迎されてないね・・・。」

よいしょよいしょ、と1歩ずつ前に進むが、これはかなり体力も気力も消耗する。

医大を出ると、もうこんな風景だ。

遮るものが何もないので、風が容赦なく吹き付けてくるのだ。

ここで私達は知った。

ウォーキングの敵は風である。

一度雨が降った事があったが、そんなものはこの風の前には大した事ではない。

遠くにチョコンと見える建物は、まだまだ半分も行かない地点だ。

かなりくじけたが、行くも戻るももう近くはないところまで来ていた。

バスはないのだ。歩くしかない。

しかし帰りも歩くのか。

今度は追い風になるだろうが、この道のりを考えるとウンザリしてきた。

駅前でバスに迷った事で時間をかなりロスし、気がついたら「あと30分で、お店が閉まる!!」という状態になっていた。

地図ではまだまだ目的地は遠く、このままのペースでは間に合いそうもない。

私達は強風に立ち向かうように、歩みを速めた。

すきっ腹だ。

疲れている。

向かい風。

助けて。

何とか店には着いた。

しかし今度は行列である。

風に吹かれて30分待ち。

やっと店に入れた時には完全に体が冷え切っていて、私はつい、目的のラーメンを頼まずに「激辛みそラーメン」を頼んでしまった。

「激辛」なんて、味ではない。おいしいと言って食べる物ではないのだ。

何のために苦労してこんなところにまで来て、激辛ラーメンなど・・・。

食べ終わるとお腹はパンパンである。

今度はこの重いお腹を抱えて、風の中、来た道を戻るのだ。

確かに追い風になり、来るときよりは楽だったが、だからといって決して楽ではない。

後ろから強風が吹き付けるので、頭の変のところに分け目ができて、そこから髪の毛が前方にたなびく。

前が見づらい。

分け目がおかしい、違和感がある、とダンナに言うと彼は私の後ろ頭を覗き込み、「ひえ~。」と言った。

分け目は後頭部の真ん中あたりに縦に入って、そこから髪の毛は左右に分かれて前方に向かっていた。

その分け目が、私が自分で染めている毛染めがまるで及んでなかったようで、白髪が激しく露出していたらしいのだ。

私は白髪が多いのだ。

若い頃から白髪染めのお世話になっていたが、そうしょっちゅう美容院で高いお金を出して染めるわけにもいかないから、伸びてきた部分はできるだけ自分で染めるようにしていたのだ。

アハハ、白髪丸見えね。

風に押し出されながら、トトト、と強制的に前に進まされる。カッチョわる。

テレビに出てる教授だか何だかの「湯浅」って人とか、爬虫類博士の「千石」って人とか、さんまのからくりTVに出てた「フォッフォッフォ」って笑う人とか、そんな髪型になってる感じだ。

あぁもうしんどいなぁ。

「もうタクシー。」

へ?

「タクシー来たら乗ろう。」

そうだよね、そうだよね(泣)

しかしここは辺鄙な田舎道である。

バス通りに出る事にする。

バス通りを本川越に向かって歩いていたが、風は相変わらず。

私達は道路の左側を歩いていたので、振り向かないとタクシーが来たとしても気付くことができない。

しかし後ろを向いて歩くわけにもいかないので、ちょこちょこ振り向くようにしていた。

そこで現れたのは路線バスである。

路線バスが私達を抜かし、本川越に向かって行った。

「ああ!!」私達は離れていくバスを呆然と見ていたが、するとその後ろからタクシーが通り過ぎて行った。

しまった!!

バスに気を取られてタクシーの発見が遅れてしまった。

私達は離れていくタクシーを見て「オーマイゴッド」というニュアンスのアクションを小さくしたが、なんとタクシーは先で止まって待っててくれたのだ。

手を挙げたわけでも、追いすがったわけでもないのに、あなたを必要としていたことに気付くなんて、プロである。

こうして今回のウォーキングはリタイヤとなった。

いや、頑張ったと思う。悔いはない。

そして電車で爆酔し、久米川の庄屋でボトルを1本空けて、ゴキゲンで家に帰ってあの記事なわけだ。

いや~、疲れた(笑)