まだまだ歯医者は続いている。歯医者は続くよどこまでも、ポッポー(泣)
なぜこんなに続くかと言うと、私が痛がって先に進ませないからだ。
先生も「もうちょっと頑張ってくれ」的なことを言い出した。
それとは反対に、私は何とか逃げる方法を考えていた。
「このまま永久に仮歯を交換し続ける訳にはいかないのですか?」
「しばらく薬の交換だけで様子をみることはできませんか?」
「麻酔をかけられませんか?」
しまいには「痛いのはイヤなんです~(泣)」
本当に泣きたかった。
泣いていいよ、と言われたがそう言われると泣けないから不思議だ。
きっと先生は子供の扱いに慣れているのだろう・・・(泣)
今の治療も私的には痛いが、実はこの後もっと痛いのが控えている、と先生は白状した。
だからこれぐらいでヘタレてるんじゃない!!という意味らしいが、本気で治療を投げ出したくなっただけだ。
しかし、いい加減先に進めなくてはならないから今日痛かったら麻酔だな、と言った。
いやもう、痛かったらじゃなくて今すぐお願いします、と思ったのだが、「これに耐えられなかったら、この後がつらくなるよ。」と言われた。
「この後」の「もっとすごいの」は麻酔できないらしいのだ。
うーん・・・。うーん・・・。
もう本当に泣きたかった。
わかったよ、今日はできるだけ我慢する。本当に本当にダメだったら麻酔。
ウィ~ン。オーストリアの首都ではない。
う・・・うう・・・痛い・・・。「神経に直接触れてますよ~」という感じの痛さだ。
前回まではここでギブアップしていたが、ハンカチを握り締めて頑張って耐えた。
先生も「よしよしっ!!そうそう、全然大丈夫なんだよ!!」と子供向けバージョンで声をかける。
痛い・・・痛い・・・我慢・・・我慢・・・ん?
あ、あ、あ、あ、
いあいーーーーっっ!!
口が閉まらないからこれまでは「ヒハイ」と言っていたのだが、もうそれどころではない。手は平泳ぎだ。
私は子音も入れられずに絶叫した。病院じゅうに響き渡り、先生と助手の奥様は爆笑した。
そこでやっと止めてくれたが、本当に本当にものすごく痛かった。
先生はその後も「クックッ」と笑い、奥様に突っ込まれていたが、もうこんな治療を続ける自信がない(泣)
「ぽ子さん。」
助手の奥様が大切な事を打ち明けるように話し出した。
「この歯は完成しても、半永久的にとはいかないんですよ。」
ですよ?
「2年もすれば変色して、そのうち口臭もするようになります。」
口臭!!うえっ。
「その上隙間から虫歯になりやすいんです。」
・・・止めて(泣)
「だから私は身内にはセラミック製のを勧めてるんですが・・・。」
それにして(涙)
「保険がきかないんですよ。」
!!は、ハウマッチ。
「1本10万です。でもこれなら半永久的にこのままいけます。」
10・・・万・・・。
「保険きく方のをまた取り替えるとしたら、結構大変なんですよ。一度作った歯を壊さなきゃなりませんから・・・。」
・・・。
「あの・・・。ぽ子さん見てると耐えられるとは思えないんですが・・・(笑)」
10×2は20。
「他にはかかりませんか?」
「そうですね、消費税が1万ですが。」
消費税で1万かよ(泣)ラーメン何杯分だ。
そもそもはネジを歯で回して欠けてしまったのが原因だ。
まさかこんな事になるとは思わなかった。
大いに後悔だ。時間を戻したい。
どうせなら中学ぐらいまで戻ってやり直したい。
バリバリ勉強していい成績をとりながら、親や先生にガンガン絡んでやりたい。空手を習って、私をカサでぶったたきやがった先輩を投げ飛ばしたい。
バカか・・・(泣)
バカだよ、ホント・・・。
はぁ。
「今日はまぁ満足だな(笑)」先生はニコニコしていた。