ドッグヴィルの続編、今回も舞台セットでの作品。独特な表現は健在。キャストは変わった。
監督:ラース・フォン・トリアー
キャスト:ブライス・ダラス・ハワード、イザック・ド・バンコレ
新たな定住の地を求めてさまよっていた、グレースファミリー。
相変らずギャング稼業にも父親にも嫌気がさしていたグレースに、再び独立のチャンスがやって来るのだ。
それはたまたま通りがかった農園マンダレイ。
奴隷制度が廃止されて70年経つが、まだその風習が残るこの地から、助けを求められるのだ。
白人からムチで打たれようとしている黒人使用人。
話を聞けば、ここマンダレイでは未だ奴隷制度がまかり通っており、黒人たちは白人に支配されていた。
たまたま農園主が死んだことから、この間違った風習を失くし、黒人たちを解放しようとグレースは決意する・・・。
前作同様、「善意とは?」と思わされる作品だ。
グレースは、正しく、公平だ。彼女には善意しか感じられない。
しかし善意を受ける黒人たちの本当の望みとは何なのか。
頭で考える正義と、実際にそこにあるものと、それは必ずしも同じとは限らない。
正しいことが正しいとは限らないのである。
終盤は「皮肉にも」という場面の連続である。
善意は報われて欲しい、と思うこともやはり、傲慢なのだろうか。
色々考えさせられるが、映画としては重すぎる。
もう少しスッと入って来るものが欲しかった。
ぽ子のオススメ度 ★★☆☆☆
ダンナのオススメ度 ★★☆☆☆