今年もまた、キンモクセイが香る季節がやって来た。
どんなに忘れ果てても、律義に一年後には匂ってくるのである。
あぁまた一年経ったんだなと、時の流れを感じる。
あと何度、この香りを嗅ぐことができるのだろうか。
空は高い。
夏の重い空気は流れていき、爽やかな心地。気持ちの良い季節を肌で感じる。
もうしおれかかったヒマワリの生き残りに、ミツバチがせわしなく頭を突っ込んでいた。
忙しそうである。
こんな街中で、遠くに大きな黒いアゲハが飛んでいる。
コンクリートに固められても、変わらない営みがある。
その「生」の美しさ。
輝ける自然の尊さ。
そんなことを感じるために、私達は生まれて来たんじゃないのかな。
美味しいものを食べて、綺麗な服を着て、遊びに出かけ、それも幸せの形だが、そもそもはもっともっとシンプルな喜びの中にいること、それこそが喜びであり、自分たちもまたその喜びを形成ずる一部であるということ、ありたいと願うことに、生きる意味があるのではないだろうか。
海が見たい。
波の音を聴きながら、飲みたい。
酒が飲みたい。
飲みたいぞ。
海を見ながら酒が飲みたい。
今のところ、週末の予定はガラ空きだ。
海で、飲みたい。
それが今の結論だ。