1957年アメリカ映画のリメイク、ロシア版。
そうとは知らずに借りたので、何の比較もなくこのロシア版についてだけの感想になるが。
監督:ニキータ・ミハルコフ
キャスト:セルゲイ・マコヴェツキイ、ニキータ・ミハルコフ
義父を殺害した罪で裁判にかけられていた少年。
両親をロシア人に殺されたチェンチェン人であり、義父はロシア人であった。
証拠は十分挙がっていて、あとは陪審員の評決を待つだけとなっていた。
評決は12人全員が一致しなくてはならないが、動かぬ証拠、分かりやすい動機にこれはすぐに有罪が決まると思われていた。
案の定有罪に決まりかけたが、ひとりだけそれに反対する者が出る。
最初は「こんなに簡単に人ひとりの有罪が決まってもいいのか」という消極的な意見だったものが、やがてそれに同調する者が出る。
ちょっと待て、良く考えてみればおかしい部分もあるじゃないか、と流れは変わり出し、ついには「無罪ではないか」という意見に傾いていく。
しかし無罪なら無罪で、またそこには厳しい世界が少年を待ち受けているのである・・・。
え~、3回寝てしまいまして、3回に分けて観る羽目になりましたEE:AEABF
決してつまらない訳ではないのだが、一人語りが多く場面も変わらないので単調なのである。
挙句、観終ったところで頭の中は「???」。
それでも、気になるところだらけなのである。
最初から、早送りしつつもう一度観ながら整理してみる。
やっぱり3回にも分けて観ちゃうと最初の方は忘れてしまい、軸が分かりにくくなってしまう。
私なりの捉えかたは何とかできたが、これが正しいのかどうかは分からない。
ネットの感想も観たが、捉え方は人それぞれであった。
ひとつ共通して言えることは、チェンチェン、ロシアの情勢や、そこに暮らす人間の心情が分からないと、本当の意味を理解するのは難しいのではないかということだ。
なにかとてつもなく深い意味を持っていそうな作品だが、まどろっこしくて分かりにくかった。
舞台でやるような作品じゃないかな??
ネタバレ感想を最後に。
ぽ子のオススメ度 ★★☆☆☆
ダンナのオススメ度 ★★☆☆☆
まずは、殺したのが少年なのかどうかも分からなかった。
2回観て、最後の場面で犯人ではないことは分かったが、犬がくわえて腕は何なん!?
あれが犯人を示唆しているのかと思いきや、小指に指輪をしている人物は出てこなかった。
あんなに意味ありげに何度も出して、その都度指輪を光らせて、そこに意味がないとは思えないのだが。
それと、最後に車に乗り込む男性をスローモーションで出したシーン。
誰よ(笑)
そういう分かりにくさが多々。
そして、最初に無罪を言い出した人(名前が分からん)が最後にまた体育館に戻るシーン。
あそこも重要かなと思うのだが、少年と小鳥を重ねただけなのだろうか。
この人物には、過去に自暴自棄になっている時に他人の慈悲に救われた過去があった。
そんな慈悲を少年に差し伸べたかっただけで、もしかしたら本当は、無罪の確信なんか全くなかったのかもしれない。
それならなぜ、最後にみすみす危険な無罪に手を挙げたのか。そこまでの思いやりがあるのなら、刑務所で彼を守る方に回りそうなものだが。
どうも未消化でスッキリしないが、そういう作品だと思うことにする。