人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子56歳。

計806。

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金曜日である。

外でしこたま飲んで、家ではワインを空け、フラッフラで寝室に入ると、ギャー!!

忘れておった・・・。

ベッドの上に、大量に干されている切手。

ストックブックが届いたので、しまっていこうと思ったのである。

母からもらった切手は、封筒やハガキにまだ貼られた状態で、大きさを切手に合わせて切っただけのものであった。なのでストックブックに保管するためには、剥がさなくてはならない。

水につけるだけで簡単に剥がれるのだ、私はこの作業に30分とって、スケジュールに書き込んでおいた。

たらいに水を張り、切手が入れてあったふたつの箱のうち小さい方をひっくり返して、水に沈めた。

10分も経ったらもう十分だ。

これをサラダボウルに移し、バスタオルを持って音楽室に上がる。

人の出入りのない部屋を選んだのだ。ソファにバスタオルを敷き、紙から剥がした切手を裏返して並べていく。

438枚で、並べるスペースがなくなった。

ボウルには、まだまだたくさん残っている。

このままにする訳にもいかない。濡らした分は何とかしなくては。

そして寝室のベッドに移動したのであった。

ベッドの上に敷いたバスタオルを埋め尽くして、やっとボウルの切手はなくなった。2時間もかかってしまった。予定を2つ程つぶす事になる。

音楽室に戻ると、もう切手は乾いていた。

このまま週末に入れば、忘れ果ててしまうことは目に見えている。

今度は乾いた切手を、数えながら箱にしまっていった。438枚。

小さい箱の方で、この量である。残る大きい箱の方には一体何枚入っているのだろうか。これではストックブックが全然足りん。

タダで集めた切手に、高いストックブックを買うのは理不尽だ。またオークションでジャンク品を待たなくてはならない。

金曜日であった。

外でしこたま飲んで、家でワインを空け、フラッフラで寝室に入ると切手が敷いてあった。

これをしまわなくては、寝ることができないのだ。

気になるのでこっちも数えながら入れたが、こちらは368枚。

音楽室よりは少ないが、泥酔して数える368はキツかった・・・。

そして二日酔いもキツかった。

週末が始まる。