人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子55歳。

パスモった?

私はまた、走っていた。どうしてこう、いつもギリギリになってしまうんだろう、バス。

走りながら私は、つい2日ほど前に起こった恐ろしい出来事を思い出していた。

すかさず走りながらバッグの中をまさぐる。

・・・ない。

二日前の夜、私はやはりバス停に向かって走っていた。

ライブの時間は過ぎている。そしてこのバスを逃したら確実に大きな遅れをとることが予想できた。何が何でも、乗らねばならぬ。

目の前にバス停が見えてきたところで、後ろからバスが迫ってきた。

向こうからは私が振り返りつつ走っている姿が見えているはずである。幸いバス停には何人か並んでいたし、これなら乗ることができるだろう。

息を切らせて列の後ろにつき、パスモを出す。出したい。出て来い。ないEE:AEB64

忘れてきたか。まぁそこまでは良くあることだ、現金で払えばいいが、私の最後の記憶では、前日の夜に酔っ払って財布の札をスーパーで使い切っているのだ。

つり銭はあったのか??きれいに使い切ったのか??

後者なら、財布はほぼスッカラカンということである。

「早く乗ってくださいEE:AE4E5」ドライバーの明らかに苛立った声が聞こえてきた。

怒んないでEE:AE5B1そういうの、苦手ねEE:AE5B1

つい、ビビッてバスに乗ってしまったのであった。

確かこのバッグの底の方で、チャリ銭を見たことがある。残ってないか??

ゴソゴソとバッグをかき回す。ああ、ないEE:AEB64

どうしよう、どうしよう、もうこうなったら終点まで行くしかないが、行ってどうするんだEE:AE5B1

財布にあるのは、使えなくなったカードと暗証番号の分からなくなったカードだけである。

何て言う?お金がありませんでした??

以前、一万円札しかなかったことがあったが、どえれー怒られた。もはや、そんなの屁である。

どうしたらいい、ライブ会場まで行って戻るまで、待ってくれるだろうか。

それ以前に、この歳で財布に金がないとか物凄く恥ずかしいんですけどEE:AE5B1

恐ろしくてなかなか確かめられなかったが、最後の頼みの綱だ。財布の小銭入れを開ける。

あったEE:AEB64もうホント、涙出るかと思ったEE:AE5B1

その代わり、整理券を取るのを忘れた。

さっきはバス停で煽りやがって、弱者に優しくない運転手め。

悔しいから私はあえて乗ったバス停を申告せずに、叩きつけるようにして一番高い金額を入れてやった。スッキリ。

・・・というような出来事を思い起こしていたのだが、やはり今日もパスモを忘れた。

そりゃそうだ、忘れたときと同じバッグを同じ状態で持ってきたのである。このウスラボケが。

お札は・・・、ああEE:AEB64

今日お金もらったけど、一万円札じゃん!

信号待ちで小銭入れを開ける。あった。まぁ今回、無賃ではないのだ、まだ気持ちはラクであった。

信号が青になる寸前に、バスが到着するのが見えた。道路を斜めにショートカットして渡ってセーフ。

もとを正せば、時間に余裕を持たないからいけないのである。

ずっと早い段階で、パスモと財布(中身チェック済み)と携帯とスニッカーズぐらいは用意しておけば、こんな事は起こらないのだ。

ヒトカラで財布を忘れたこともあったが、常に補欠も用意するべきでもあるだろう。

私はひとりでは生きていけないのか??ママが準備してくれないと、バスにすら乗れないのか??

そういえばダンナと出かけると必ず、「携帯持った?」「パスモ持った??(もはや「パスモった?」と略されている)」と確認される。

ママいるねEE:AEB64

いっそ、普段からバッグの基本準備をお願いしたい。