タワシから芽が出ました、アゲイン。
初めてのことではない。
初代。2008年7月3日。
2代目。2008年7月15日。
何の芽がどうして出てきたのかなど、さっぱり分からない。
どれも夏だったことを考えると、夏の野菜か果物か。夏の環境が適しているのか。
初代も2代目も、いくらも育たずにいつの間にかなくなっていた。
なので今回私は、これを育ててみることにしたのである。
だいない、何の種だったのか気になるじゃないか。
それが分かるまで育つには、結構な時間を要するだろう。
この目を育てきるという努力が実った時やっと、その答えが分かるのである。
これはただの園芸ではない。
答えを探す旅路である。
5年前と同じことをしては、またいつの間になくなってしまうだろう。つまり、「そのまま普通に使っている」のではダメなのである。
なので今回は、「丁寧に使う」ことにした。
いや、もちろん、使わずに済むなら使いたくなかったが、必要だから置いてあるのである。
どうしても使いたい時は、芽に触れないよう、そっと使うようにし、ダンナにもそのように伝達した。
それだけでは不安だ。時々水をかける。
これだけで栄養は足りるのだろうか?光合成とかしないのだろうか?
しかし急に環境を変えるのも怖い。ここまでこうして順調に育ってきたのである。この環境が適しているのかもしれないじゃないか。
様子を見ることにする。
毎日キッチンに立つたび、元気はあるか、悪い変化はないか、目を光らせる。
とうとう双葉がパカッと開いたのだ。しかし気のせいか、葉先が少し茶色いような気がしないでもない。
いよいよ大海原に出る時が来たか。
私はタワシに水をかけ、音楽室の月下美人の隣に置いてきた。
ここならブラインド越しのやわらかい光が当たるはずだ。
タワシが使えないのは困るが、まぁ週末にでもまた100均で買ってくればいい。
で、週末はどうなるかというと、二日酔いである。タワシ栽培どころではない。
週が明けて慌てて見に行ったら、枯れたどころか全く見えなくなっていた。
オーマイゴッド、私の旅はまだ始まったばかりだというのに。
残念だが、またいつかの夏、何かの種が、何かの拍子でタワシに根付くことを待つしかない。
すまぬ、何かの芽よ。