人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子55歳。

八日目の蝉 / 角田光代

ただ寝てるのもしんどかったので、本、読みましたEE:AEAAB

前回この方の愛がなんだが良かったとレビューを載せたところ、すぐに反応があり(べにちゃんEE:AE595)、八日目の蝉も面白いとコメントいただいていたのでいたのだ。

どうも本屋(古本屋EE:AE5BE)に行くと、作家から探さないので思い出すのは偶然が多い。

不倫相手の家の生まれたばかりの子供をひと目だけ見ようと、相手の家に忍び込んだ希和子。

ひと目見るだけのつもりだったのに、その子を見たら、自分が生むはずだった子供とオーバーラップしてしまい、つい連れ去ってしまう。

迷いながらも「あと少しだけ」、そう思いつつ逃げる希和子。

ギリギリの橋を渡りながら、流れていく・・・。

正直、タイトル見てつまんなそうだなぁと思ったのだが(蝉って~EE:AEB64)、べにちゃんを信じました(笑)

いや、疑ってスミマセン、もうすっごく良かったEE:AE482ギリギリの逃避行に釘付けだ。

血が繋がっていないはずの希和子の母性が、なぜか強く感じられるのである。読んでるこちらもつい応援してしまう。

少々フィクション臭い偶然もあるが、子供と生き延びるために「そこまでやる!?」的なギリギリの選択が切ない。

後半は誘拐された子供の語りになる。

もう、誰も彼も崩壊している。

その絶望的な環境の中で、新しい道を見つけ出すエンディングは見事だった。

たまたま今の自分と重なる部分もあり、かなり響くものがあった。

これはオススメだぃEE:AE5BE

ぽ子のオススメ度 ★★★★★

「八日目の蝉」 角田光代

中公文庫