店じゅう、あるいは街じゅう歩かなくても良いのである、私は結構、通販が好きだ。
座りながらにして、あらゆる店の商品を見る事ができるのである。
ショッピングは楽しいが、気がつくとかなり歩かされていて疲れるものだ。
我が家には常に、雑貨屋、ブティック、家具屋など数店舗が、数冊に収まって常備してあるのであった。
その中から選んだひとつが、届いたのだ。
我が家には猫がいる。
脳味噌が小さいのであまりお利口さんではない。
本能のままに生きる、動物である。
眠りたければ眠り、遊びたければ遊び、食べたければ食べる。
しかし、食べたくとも食べるものがなければ食べる事はできないのである。
そして逆に、食べたいと思っていないくても、匂いで食べたくなったりもする単純な生き物である。
なので、うかつに焼き魚など出して目を離すと、サッと持って行かれてしまう事がある。
それを見て「あ、こら!可愛いEE:AE595」などと言っている親馬鹿ばかりなのでいつまで経ってもしつけができないが、そんなんで食べるものにはちょっとした注意が必要なのであった。
食べる物なら、まだいい。
自分がこれから食べるのだから、それだけ注意を払うのである。
親馬鹿だが、ライバルはライバルである。食われてたまるか、という思いがガードを硬くする。
しかし、残飯となると途端に緩むのが人間。そしてそれを狙うのが猫である。
普通に三角コーナーなどに入れれば、簡単に漁られてしまう。
生ゴミごとゴミ袋に移せば、それを食い破ってしまう。
なので仕方なく、魚の骨や鶏の骨など猫が食べそうなものは小さなビニールや小皿によけて、レンジに一時避難させるようになっていた。
しかし「一時」とは言うが、時には数日だEE:AE4E6
グータラなので忘れてしまうのである。
一日に何度も開ける電子レンジに入っていて、なぜ忘れるのかと言われそうだが、何度もよけているとそれが普通になってしまい、私のようなウスラボケは簡単に忘れてしまうのである。
何とかならないか、残飯。
そもそも他の家庭では、生ゴミをどうしているのだろうか。
有料ゴミ袋の一番小さいサイズでも、生ゴミだけでは一杯にならないはずである。
ワン生ゴミにワン袋、ゴージャスに使ってすぐに捨てているのだろうか。
聞きたくもないだろうが言わせてもらうと、我が家は極限まで詰め込んでから捨てる。
もっと言わせてもらえば、極限まで詰め込まないと、捨てない。
なのでゴミ袋は最小のものでもかなり入るのでそれが普段使いだが、リビングあたりのゴミが膨らんできたら、それをキッチンに持ってくるのだ。
キッチン以外のゴミはちゃんとゴミ箱に入っているので、パンパンに入れても箱から出すと隙間ができるものなのである。
その隙間を生ゴミで埋めて即、外のゴミ箱に入れるのが理想的なパターンなのであった。
しかしそうリズミカルにゴミは溜まらない。
キッチンまで来て生ゴミを入れてもスカスカだと、そこで停滞する。
その後に出るゴミは、できるだけわざわざキッチンまで持っ行って袋が一杯になるのを待つが、そんな時にケンタのチキンの骨なんかが入っていたりすると、大変な事になるのである。
気をつけていればいいのだろうが、レンジの骨を見ても何も感じないようなウスラボケなのである、食べ終わったケンタのチキンの事などすぐに忘れてしまう。
すると風呂上りに、あるいは買い物から帰った後に、もしくは朝起きてみると、猫の使用済みトイレシートやら猫のゲロ(しょっちゅう吐いている)、丸めティッシュ、・・・ゴミ箱から蘇ったのだ、ロクものはない。ああっ、探してたのよ、このネックレス!!などという事は過去に一度もありはしない。
こうして、床に散らばったロクでもないものを、再びゴミ袋に詰める羽目になるのだ。
長くなったが、そう、ゴミ箱を買ったのだ、残飯一時避難用の。
残飯だけと言わずに、普通のフタつきのゴミ箱を買え、と思うかもしれないが、それはすでに買って失敗している。
タイマーで動く自動給餌機を崩壊させて腹一杯食べた奴らである、フタなどあってないようなものだ。
なので、パチンとフタが留められる、小さなゴミボックスを買ったのであったby通販。
中には一回り小さなカゴが入っているので、汚れれば簡単に洗えるスグレモノ、これなら骨だけじゃなくて生ゴミ専用の避難所にしても良いだろう。
しかし、届いたものを見て絶句した。
それはイメージしていたものの3倍ほどの大きさで、残飯に対して「巨大」というサイズであった。
ああ、ここが通販の落とし穴だ。・・・勝手に私が落ちたのだが。
しかし、自分の足で歩いて製品を手に取ってこの目で見ていれば、このような失敗はしない。
一応カタログにはサイズが書いてあったのだろうが、ウスラボケはそんなものを見ないのである。
・・・でかいEE:AEB64
中にスッポリ入ったエルを見て、「可愛いEE:AE595」と親馬鹿がつぶやいた。