人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子55歳。

その人の、不在

何だか久しぶりでございます。

冗談抜きで、二日酔いか酔っ払ってるかの週末だったのだ。

コメントのお返しが遅くなってしまい、本当に申し訳ないEE:AEAD9

2週間ほど前に、Pに行った時の事だ。

「スーさんが全然店に来ないって漣のマスターが言ってたけど、ぽ子、知らない??」とマスターに聞かれたのだ。

スーさんと言えば、漣かPか、時々は他のお店の事もあるが、毎晩のように飲み歩いている人である。

特に漣はお気に入りで、毎日のように入り浸っていると聞いていた。

それが、ここ一週間、全然顔を見せないと言うのである。

その場ですぐに電話をしてみたが、呼び出し音が鳴っただけであった。

「まぁ、仕事には行ってるみたいだから、生きてはいるはずだけど・・・。」

生きてはいる。

なら一体、どうしちゃったんだろうか。

その晩も私は飲んだくれ、起きた時は二日酔いであった。

昼前に体を起こし、携帯を開いてみると、スーさんから着信があった模様。

どうやら生きてはいる。

私はそのまま安心して、返事もせずにいた。

「もう二週間だよ。」

その一週間後、またPに行くと、マスターが言った。

スーさんは、まだ出てこないらしい。

どうやら体調が悪いらしい事は分かったが、これは結構深刻なのではないだろうか。

人のことは言えないが、バンドの兄さん達の飲み方はハンパじゃない。

練習日には二日酔いで現れ、まずはビールを飲み始める。

タケダさん以外はタバコも吸うし、私達と違ってみんな小食である。

いつ体を壊してもおかしくない様な状況だという事に改めて気づいたが、とうとうスーさんがやられてしまったのだろうか。

日曜日の練習には来るのだろうか。

その日曜、つまり昨日だが、私はまたひどい二日酔いであった。

もう練習なんか無理、起きれない、吐きそう、涙出る・・・と思いつつ嫌々スタジオに向かったが、そこにスーさんの姿はなかった。

リーダーも、ドラムのタケダさんも、ギターのヤギヤギさんもすでに準備を始めていたが、誰も何も言わず、黙々と自分の楽器のセッティングをしている。

スーさんは現れない。

誰も、何も言わない。

スーさんは、来ないのだ。

もしかしたら永遠に。

確かめてはいけない事なのだと察して、私も黙って楽譜を置き、軽く音を出した。

スーさんはいない。

チューニングはしなくても、シールドが抜けていても、そこにはいつもスーさんがいたのだ。

スーさんがいない。

タケダさんのからかう声も、今日は聞こえてこない。

「ども~・・・。」

しかし30分ほど経った頃だろうか、スーさんは現れた。

ホッとしたが、明らかにグッタリとしている。

悪い病気なのだろう。良く来たね。

もう先は長くないのだろうか。

「昨日のオールドパーがまだ効いてるんじゃねえのかEE:AEB80」早速タケダさんがスーさんに絡む。

・・・オールドパー??

「何時だったんだよ、昨日は。」

「ん~、あの後P行って、ひとりナンパして漣にまた戻って・・・、3時ぐらい??」

いや~~、昨日は羽目外し過ぎた、起きたらもう12時半だったよ、と言いながら、ギターのセッティングを始めるスーさん。

病人のように生気がなかったが、それは「え?発泡酒あるの?」と言ってヤギヤギさんからそれをもらうまでであった。

ギュッとそれを飲むと、「サワーないかな??」とパインサワーを旨そうに飲み、鼻歌が出て(スーさんは酔うと良く鼻歌が出る)、最後には楽しそうにキーボードを弾いた。

体調の事はよく分からないが、昨日のスーさんは紛れもなくいつものスーさんであり、練習のあと庄やで焼酎を飲み、移動のタクシーの中で合唱し、そのあとカラオケに行き、ラーメンを食べて帰ったという事である。

この暴挙が彼の命を縮めてなければいいが、一緒になって飲んだくれてないで、もっとお兄さま方を労わってあげないといけないのでは・・・と、反省したのであった。

・・・どうせ飲むと忘れるだろうが。