人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子56歳。

罪と罰

例えば、「飲まなければ3点」と、点数をつけてみた。

「飲んでも12時まで。翌日のご飯の準備あり、2点」などという回避策も用意した。

それでもダメなら「ご飯準備なしで12時まで飲む・1点」という、最後の砦も作った。

しかしだ。

これでは不十分なのであった。

12時過ぎまで飲んでしまった場合、歯止めが効かないのであるEE:AEB64

どうせダメならとことんダメでいい、というクズ心理。

私は「1週間、満点を取り続けることができたら自分にご褒美」などという夢のような事を思いついたが、これも然り。

「どうせ満点じゃないだから」と、とことんまで堕ちてしまう危険をはらんでいた。

昨日寝たのは2時である。

ダンナが残業で遅く帰ってきたこともあるが、どうせもう12時は守れないのだ、こうなったらとことん飲んでやる、という事である。

なぁに、飲んだって、翌日ちゃんと動けば良いのだ。

明日こそ甘えない。

今までは甘えていたからそれができなかったが、やろうと思えばできるのである。

できなかったEE:AEB64

何とか9時に起きて「二度寝but9時まで・0.5点」を確保したが、かったるくて何もやる気がしない。

ヤバい、テレテレ過ごすと「テレテレしない・1点」を逃がしてしまう。

くそー、不思議だ。

昨夜のあの「できる」はどこから出てきたのだ?

できたためしなどないじゃないか。

だから酒はダメなのだ。

それが分かったから、このようなバカバカしい点数制度を制定したんじゃないか。

気合だ、雪かきでエンジンかけるぞ。

私は庭に出て小さなシャベルを持ち、雪に埋まってしまった花たちを救い出した。

ポットから鉢に移したばかりなのに、途端に雪である。

重みでしなだれた花を見ると、こちらもしなだれてくる。

クソッ、クソッ。

雪かきと言う重労働が終わると、本格的に何もしたくなくなった。

何が「テレテレしない」じゃ。

こんな事にたかが1点入ったから何だというのだ。

踊らされている。

しっかりしろ、ぽ子。自分を見失ってはいけない。

あんたはグータラでだらしない女じゃなかったのか。

ええ、そうよ、私はグータラでだらしのない女。

でももう私は、あの世界に戻りたくないの。

私は掃除をするわ。

私は花を育てるわ。

私は早起きするわ・・・。

結局、テレテレと掃除をした。

誰が見ても、イヤイヤやっているのが分かるような動きである。

もういいや、今日のテレテレしない1点は。

あとどこか1ヶ所だけやって、思いのたけテレテレすることにしよう。

しかし、やりたくない事というのは、なかなか思い浮かんでこないものである。

こんなに汚い部屋でも、きれいに見えてくるから不思議だ。

しかし、明らかに汚い場所がある。

何年も逃げてきた、あの場所。

要は、捨てればいいのである。

難しい事はない、それだけで片付く簡単な場所である。

しかしその「捨てる」が難しく、ここまで放置してしまったのだ。

引き出しだ。

キッチンで一番大きな引き出し。

ここにはお菓子や食材が、乱雑に放り込んである。

食べられるものはほとんどないだろう。

最後にここに踏み込んだのは、2年前だ。

また同じ罪を犯してしまった。

食べられたのに食べられなくしてしまった食材を、捨てなくてはならない。

賞味期限が2009年のものがあまりにも多かったので、私は現在の日付を間違って認識していたのではないかと思ったほどである。

ひとつひとつ中身を出し、食べるものは「燃やせるゴミ」に、袋は「プラゴミ」に分別していった。

胸の痛む作業である。

罪、そして罰。

これがなければ、もっと引き出しの中身は増えていただろう。

この痛みを忘れてはいけない。

何度も忘れているが。

「失敗する事はいい。いけないのはそれを繰り返すことだ。」と私は偉そうに何度も娘ぶー子に言ってきた。

今その言葉、そっくりそのままてめぇに返すぜEE:AEB64

そしてぶー子に言った言葉のその先を思い出す。

繰り返さないためには改善しなくてはならないのだ。

そうだ、何か問題があるから、何度も繰り返しているのである。

私はお菓子だけ別の大きな缶に移し、リビングのテーブルに置いた。

ある事を忘れるから、減らないのだ。

食べたくて買ったものである。

忘れなければ減るはずだ。

これだけアピールすれば、ちょいちょい食べてくれるだろう。

引き出しはスッカスカになった。

頑張った。

今日は「テレテレしない」に1点だ。