ジョン・レノンの幼少期、少年期はあまり幸せな環境ではなかった。
船乗りの父親は不在、母親は違う男と同棲。
優しい叔母に大切に育てられはしたようだが、彼の心の中に大きな傷を残してしまっていた。
そしてずっとその傷を隠して生きてきたのだろう。
これらの話はジョン・レノンミュージアムで知ったのだが、彼はヨーコと出会って変わるのである。
そしてヨーコと共にアーサー・ヤノフという博士による精神療法を受けた結果、この幼少期のトラウマと向かい合い、両親から得られなかった愛を本当はどれだけ欲していたかを知るのである。
この曲は、ジョンの心の叫びである。
Mother, you had me but I never had you
I wanted you but you didn't want me
So I got to tell you
Goodbye goodbye
Father, you left me but I never left you
I needed you but you didn't need me
So I just got to tell you
Goodbye goodbye
Mama don't go
Daddy come home
母さん 僕はあなたのものだったけど
あなたは僕のものじゃなかった
僕はあなたを求めていたのに
あなたは僕を求めてはいなかった
だから 僕はいうんだ
あばよ さよなら
父さん あなたは僕を見捨てた
僕はあなたを見捨てなかったのに
僕はあなたを必要としたのに
あなたは僕なんか必要としなかった
だから 僕はいうんだ
あばよ さよなら
ママ 行かないで
ダディ 戻ってきて
(山本安見 訳)*一部端折っています。
とてもシンプルな曲で、サビ(Cメロになるのか?)は「Mama don't go、Daddy come home」だけである。
しかしこのジョンの一番言いたかったであろうこの言葉は、私達の胸に深く突き刺さる。
Mother / John Lennon