人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子56歳。

しつけ

「俺は本当に鬼だよ・・・。」

ダンナは片手に空になった哺乳瓶を持ち、リビングに入ってくるなりそう言った。

みんな辛いのだ。

子猫を一人で置き去りにする事が。

せめて狭いケージから出してやりたい、と言い、寝室内を自由に動き回れるようにした。

もうすぐここに来てから1ヶ月が経つ。

離乳食も少しずつ食べるようになり、トイレの場所も覚えつつある。

這うように歩いていたのが、ピョンピョンと跳ぶように走り回るようになった。

なぜ写真が少ないかと言うと、動き回って撮れないからである。

「ただいま」と言って寝室のドアを開けると、正面の猫ハウスからトトトと真っ直ぐに走ってくる。

ヒョイと摘み上げて、ベッドに横たわる。

胸の上に乗せてつっついてやると、鋭い爪をむいて飛び掛ってくるのだが、もうこれはNGである。

この子が一緒に暮らしていくのは私たちではない。

エルのように手でじゃらすクセをつける訳にはいかないのだ。

思えばエルには何一つ、しつけのようなことはしなかった。

今でも手に噛み付いたり引っ掻いたりしているので、私達はしょっちゅう血を流している。

しかしそれを良しとしているのだ、だから問題ないのだが、よそ様に行くとなると話は別だ。

きちんとしつけをしなくてはなるまい。

それからは猫のおもちゃを持ってきて、それで遊ばせるようにしている。

どうしても手の方に食いついてくるが、根気良くやっていかなくてはならない。

「他人の子」と思うのは悲しいが、幸せになってもらうために、いい子に育てなくてはいけないのだ。

遊び疲れると、いつの間に私も子猫も寝ている。

可愛い。

幸せだ。

「俺は本当に鬼だよ・・・。」

そしてみんながこの子を大切に思っていることが分かるとき、私はもう一度幸せな気持ちになる。

子猫は幸せを配る天使EE:AEAAB

画質を落として連写で撮影。

それでもいい写真は少ない。

こちらは高画質で撮れた奇跡の1枚。