月曜日は週明けで死んでいた。
火曜日は二日酔いで死んでいた。
水曜日は寒くて寝ていた。
木曜日は二日酔いで死んでいた。
今週のラストチャンス、金曜日である。
いい加減、活動しなくては。
そりゃ厳密に言えば、簡単な掃除や洗濯ぐらいはしたが、私が求めているのはこんな程度の女っぷりではない。
「ウチのかみさん、頑張り屋だから(海外旅行に連れて行ってやりたい)」とダンナに言わしめるぐらいに輝くのが夢である。
とにかく上っ面ばかり片付けていてもダメなのだ。
根本から覆さないと、もうこの家は後戻りできないほど「ダメ化」が進んでいる。
鳩山のとっつぁんが立ち上がったように、今ここで私がこの家の改革を推し進める時なのである。
闇雲に動くのではダメだ。
目標を定め、そのための計画を手帳に書き込んでいく。
それからはその通りに進めばいいだけだ。
手帳。
さて、今週のラストチャンス金曜日、私は寝ていた。
昨日は飲まずに寝たのだが、朝スッキリ目覚め、みんなを送り出しソファに座ると、もう寝ていたのだ。
手帳も目標もクソもない、今週、全滅である。
しかし、このまま今週を終わらせる訳にはいかない。
今日ここにあるものは、週明けにも同じ状態でそのまま置いてある可能性が非常に高いのだ。
休日である。
ただでさえナメクジなのだ。
私は休日に働いているナメクジなど、見たことがない。
週明けには今と同じ状態どころか、さらに酷くなっていることは簡単に想像できる。
アレだけでも何とかしなくては。
今年もやってます、
鍋。
「鍋料理」ではない、「鍋料理の後洗わない」である。
あの鍋、いつのだ?
昨日知らずに娘ぶー子がフタを開けてしまい、裏声で「ヒー」と言った。
あぁ言うな、それに触れるな、ずっと逃げていたのに。
言い訳をすれば、洗わないのは鍋が大きくて面倒なのもあるが、洗ってから干す場所がないのだ。
洗い物は鍋だけではない。
基本、ギリギリまで洗わないので、流しは常にラテン系のパーティのように賑わっている。
土鍋を洗うにはそれなりのスペースが必要だ。
しかし、流しにスペースができる頃には、干すスペースがなくなっているのだ。
覚悟を決めて、洗うことにした。
まぁこんな事は初めてではない。
フタを開ける。
ああっ、これ!!
スープおじさんである。
金曜日のナメクジ、スープおじさんに出会う。
これでひとつ、荷が下りた。
気持ち軽やかな週末になるだろう。