もうね、ホントにこれは素直に謝るしかない。
今さらだが、これでも私は現状で良しとしている訳ではないのだ。
今度こそ、今度こそ、と思いつつ、挑んでるのだ、
月曜を抜かして。
つまり、今日もまた二度寝してしまったという、珍しくもなんともない、いつも通りのことである。
頑張らねば、頑張らねば、と思うのだが、もうどうしても眠くて眠くて仕方がない。
寝たらいかん、寝たら死ぬぞ!!と遭難者の如く自分を励ましたが、どうしてもダメだった。
敗因は何だ?
反省をしないと進歩はない。
敗因は、新聞屋であるッ!!
あぁまたあの音に起こされるのであった。
もうダメだ、あきまへん・・・と撃沈したのは、それでも辛うじてソファの上であった。
これで爆睡を免れようと考えたのだが、気がついたら10時半。
かー・・・、もうね、ぽ子、今夜は酒飲んで寝なさい。
やっちまったぜ万年人間のクズ、と思いつつ体を起こすと同時に、インターフォンが鳴った。
この時間に来るのは宅急便か、訪問販売か勧誘の類である。
宅急便なら新しいPCモニター、訪問販売ならどうせろくでもないもの、天国か地獄か?
「はい」と言ってモニターを覗くと、どちらともつかない。
つかないが、特徴的な制服に雰囲気、あ。
しもた~~~!!ガスの点検!!
「ガスの点検を行います。この日が都合が悪いようならご連絡ください」というチラシが入ったのはいつの事だったか、実際その日私は寝ていたのかいなかったのかもう忘れているぐらい前の話だが、とにかく連絡もせずに点検させなかったのだ。
わざとではない。
私はグータラだが、あたかもその日に点検させるようなフリをして人を騙すような事はしない。
ガス屋に恨みなどない。
しかし、こういうことは簡単に忘れるグータラである。
ある日仕事から家に帰ると、「点検に来ましたがいらっしゃらなかったので、都合の良い日をお知らせください」という紙が入っていた。
その時やっと点検の事を思い出したのである。
その青い大きな紙には、ガス屋の電話番号が書かれていた。
しくった、忘れていた。
や、正直に言うと最初のチラシを見た時にはめんどくせーと思った。
かなりめんどくせーと思った。
だから後回しにしたのだが、私のようなクズのカスのグータラの「後回し」は「忘れる」を意味するのだ。
案の定忘れた。
そしてその時手にしている青いチラシを見て私は、「めんどくせー、超めんどくせー」と思った。
超面倒臭いから、後回しにした。
ぽ子に後回しという言葉はない。
忘れた。
次に思い出したのは、数日後に再び同じ文面の青いチラシが入った時だ。
しくった、忘れてた。
しかし2度目の「しくった」は、初めての「しくった」よりも罪悪感が軽くなっている。
その分「めんどくせー」に上乗せされ、後回しにし、とうとう電話がかかって来た。
「東京ガスですが・・・」
ヒッ、しくった!!
この場合の「しくった」は×3ほどのパワーを持つ。
直接対決となると、途端にビビるぽ子である。
もう話を聞きもせず、すぐさま「スミマセンスミマセン!!」と連呼した。
優しい人で良かったが、そこでとうとう点検の約束をさせられたのである。
いついつの何時頃。
月曜は止めてくださいね、週明けで死んでますから。
スミマセンの舌の根も乾かぬうちに、ずうずうしいヤツである。
で、忘れてたと(笑)
超ぶったまげた。
人が来る前提になっていないのだ、部屋も私も。
しかし「はい」と言ってしまったからにはすぐに出なくてはならず、私は顔をゴシゴシこすって頭を手グシで撫で付けてから、ゆっくりドアを開けた。
口、臭くないだろうか??
「東京ガスです~EE:AEACD点検に来ました!」
ウッ、まぶしい、さっきまで寝ていた私に、君は眩し過ぎる。
グータラの午前に爽やかな空気を入れないでくれ!
「あの~~、すっかり忘れてまして、ハハハ・・・。」助けてくれ。
「あ、そうですか!?じゃあ外から先に点検してますね。」ちょっと助かった。
私は部屋に戻ると、とにかく恥度の高いものから風呂場に持って行った。
ビールの空き缶で溢れそうなレジ袋2つ、一番上がバナナの皮の生ゴミ、プラゴミの大袋、ゴミばっか(笑)
バナナの皮の隠ぺいに時間がかかってしまい、そこまでで彼は再び現れた。
観念して家に上げたが、「じゃちょっと点検します~」と言って、彼はおもむろにキッチンのコンロの下の棚を開けた。
ええっ!?そこかよ!?あちゃー。
あれだけグチャグチャに入っている鍋類をかき分けて点検した彼は、やはりプロである。
「異常ありません。」
そう言って、読む事はないだろうガスネタの冊子を置いて去っていった。
また来年、同じ事が起こるのだろう。
何がいけない?
新聞屋だ。
新聞屋がいけないのだ~~~~~!!EE:AEB64