どこにいても眠いのだ。眠くてたまらないのだ。
だからマンガ喫茶に来ている。
歯医者が終わったらダンナと待ち合わせてラーメン、
そしてダンナは予約を入れていた病院へ行き、私は眠くなった。
ここで寝ながら待つとする。
ダンナは代々木に向かったので、渋谷にはひとりで来た。
何とかなるだろうと思っていたが、
確かに何とかはなったが、
やっぱりすんなりとは行かなかった。
銀座線を降りると、「109」の方面の出口を目指す。それしかわかるものがなかったのだ。
ハチ公の方に行きたい。
渋谷で確実にわかるのは「109」とハチ公だけだ。迷子にならないようにしないとな。
しかし、改札を出るともうわからなくなってしまった。
「→ハチ公(および109)」とでも書いてあればいいのに、地下鉄の乗り継ぎの案内ばかりだ。
しかも先には、階段とエスカレーターしかない。
このまま歩いていれば出れるんじゃないのか。
さて困った。困ったけど足を止めるのは恥ずかしい。
上るか下りるか。
下るほうには地下鉄の案内がある。地下鉄には乗らん。上だ。
私は階段を上ったが、誰一人ついて来なかった。まるっきり一人だ。ふ、不安。
どうやらそこはデパートの階段だった。
ひとつ上るとフロアに「5」と書いてあった。
ご、5階!?
電車降りてひとつ上っただけでなんで5階よ・・・。
エスカレーターで下りて行く。くそー、マンガ喫茶での睡眠時間が減っていく。
どんどん下ると、2階で急に人の行き来が激しくなった。
そうか、ここか。
きっと駅はワンフロア高い位置にあるのだろう。
私は2階で下りて、人の波に混ざった。
つまらん根拠でつまらん行動を取ってしまった。
出口などなく、代わりに電車の乗り場への案内が出ていた。
途中で急にUターンするこの恥ずかしさよ。
またエスカレーターに戻り、1階に出る。
適当に外に出ると地味な出口であった。逆だったか。
逆に出たが派手ではなかった。
どこだハチ公!!なぜ逃げる。
私は駅から離れないように、左手に東急を見ながら歩いた。
左に曲がるが奴はいない。
ここは渋谷だったっけ?
さらにまっすぐ歩いて左に曲がると、やっと見覚えのあるスクランブル交差点に出た。
四角形の3辺を歩いてしまったようなものだ。
これだけハチハチ言っても、ここまでくればお前にもう用はない。
次はマンガ喫茶だ。どの道を行けばいいのだ?
私はセンター街を目指した。
センター街に明るいのではない。雰囲気だ。何となく他の道よりマンガ喫茶。
ほら見ろ、すぐあったぞ。
看板が見え「3階」となっているが、ビルへの入り口がわからない。
止まれないぞ、いかにも迷ってるみたいじゃないか。
しかたなくスルーした。
迷いがないように見せかけてスタスタ歩いているが、実は目線はマンガ喫茶の看板求めて上の方を泳いでいた。
HMV。でかい~。ん?
入り口に「GRAN CYBER CAFE」と看板が出ている。つまりマンガ喫茶の進化系とみた。すっごいオシャレな看板だ。ここにしよう。
HMVの7階だ。
7階までエスカレーターで上がったが、このHMVもどえらいカッコイイ店だ。萎縮してしまう。
もしかしたら今ここの店の中にいる人間の中で、私が最長老かもしれない。
は、早くこの場違いなところから逃げ出したい。どうか誰も私を見つけないで。
ところが7階のマンガ喫茶改めインターネットカフェも、負けず劣らずシャレているのだ。
このシャレた店のカウンターで私はまず「・・・初めてなんです・・・。」と言う羽目になった。
しかもさっき、ラーメンにニンニクを入れて食べた。
「禁煙席と喫煙席がありますが。」
「どっちでもいいです。」あ、でも後からダンナが来るんだ。
「やっぱり喫煙席で。」
「それでは、女性席でしたらリクライニングシートになっていますが。」
「そうしてください。」ダンナはどうした。どこへでも勝手に座るが良い。
フー、やっと着いた。
思いの他、ダラダラ書いてしまった。
もう寝ます。
歯医者の話はまた後で。