なんつって。
仕事が1つ減ったからって「GOOD」な「MORNING」になる訳ではなかった。
これまでは一応朝起きるだけ起きて、ほとんど喋らずご飯だけ出し、ギリギリまで2度寝していた。
「仕事がキツいんだからしょうがないじゃん。」という気持ちがいつもどこかにあって、いつも手抜きをしていた。
「配達の仕事が終わったら・・・」と、そのつど言い訳をしてきたが、
実際は仕事なんてあろうがなかろうが、夜、早く寝ようが寝まいが、
眠いものは眠い。
魚を焼いて出したらいつも通り、体も頭も寝る体制だ。
しかしもう言い訳するネタはない。
ダンナに背中を向けるようにソファで目をつぶる。テレビ見てるみたいだろー。
時々猫に声を掛けたりして「寝てなどいません」な雰囲気を出す。
ちゃんと寝れはしないが、もう眠くて眠くて仕方ないのでこれでもいいっ。
ダンナが出掛けると即、布団に入った。
しかし次には娘ぶー子が起きてくるはずだ。
夏休みに入りダラダラ寝てるのは絶対に許さない、
しかもアンタは高校生にもなって一人で起きれないのかとブチ切れたばかりなのだ。
あそこまで怒り狂っておいて自分は寝てるという訳にもいかないだろう。
失敗したな。
これでは私も寝れないではないか。
そんな訳で寝室で寝ないでリビング隣の和室の万年床で横になった。
気配がしたらすぐ起きればいい。
言い訳は・・・うーん・・・。・・・。グー・・・。
「ありゃ?」
ぶー子の声がした。
私はガバッと起き上がり、「おはよー、ちゃんと起きてきたじゃん、えらいえらい。」とまくし立て、
向こうにいらぬ疑問を抱かせないようにテンションを上げて喋りまくった。
寝起きからキツい仕事だ。
幸いぶー子も相当眠いようで余計な事まで頭が回らないらしかった。
ボーッとしてテーブルに着いたが、
「何だこれ・・・。」と絶句した。
いや~、起きてみたらご飯が足りなかったのだよ。
また炊くのは面倒だし、ダンナと2人分に分けたんだけど、やっぱダメだったか。
まぁいいよ、さっきまで寝てた事に気付かれるよりはマシだ。いくらでも文句を言ってくれ。
しかしやっぱり眠くて眠くて眠くて仕方がない。
もうダメぽ・・・と思いつつぶー子と向かい合わせのイスで寝てしまった。
でもぶー子は何も言わず、朝食を食べ終わると自分の部屋に静かに戻って行った。
なぜかはその後すぐわかった。
彼女も私と同じように眠くて眠くて眠くて仕方なかったのだ。
その後、あたかも「寝てたのはほんのちょっとだけで、アンタはわかってないだろうけど私はあの後忙しかったのよ」とばかりに息切らせてぶー子の部屋に入ったら
ぶー子は机に向かっていた。
国語のテキストを開いていた。
ヨシヨシ・・・ん?
そういえばこれって昨日もおとといも同じポーズに同じ本・・・。
「・・・やってんの・・・?」
「・・・あんまやって・・・ない・・・。」
目がトロンとしている。アンタも寝てたか。
なんだかなぁ。
2人で何やってんだか。
それにしても細切れに寝たので寝た気がしない。
こんな事なら「私は7時30分から9時まで寝る。」と宣言してグッスリ寝ればよかった。
その代わりぶー子も9時まで寝かせばいいじゃないか。
いや・・・でも・・・。
やっぱバツが悪いなぁ。
いやだなぁ、大人って。
困ったもんだ。