人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子55歳。

掃除がしたい。

約4年。

これが長いのか短いのか、私には分からない。

ルンバが壊れた。

ボタンひとつで勝手に掃除をしてくれるのである。こんなに素晴らしいものはない。

猫の多頭飼いをしている我が家は、すぐに猫の毛がたまる。

そして私は、こまめに掃除をする人間ではない。

ところがこのルンバが、私に変わって掃除をしてくれるというのだ。こんなに有り難い話はない。

だったら一日に何度でも、ルンバを回してやる。そうすれば家の中は、少なくとも床だけは綺麗な状態を保てるのである。

私はルンバの良さを語り、これがあればどれほど家のためになるのかを語り、これがあればどれだけ自分が楽になるのかを語った。

こうしてルンバが家にやって来たのは、4年前のことだった。

ところが実際に使ってみて、「意外とそうでもない」ことが分かったのだ。

物をどかさなくてはならないことは覚悟していたが、細いところには入れない。

カーペットがあまり綺麗にならない。

カーペットとの段差に、吸い込めなかったゴミをくっつけてしまう。

そもそもそんなに綺麗にならないという決定打。

重い掃除機を持って来てガーガーやる手間は確かに省けたが、使うたびに回転ブラシの掃除をするので(ハマるのだ。勝手にやっているだけの話だが)、結局それなりに時間は取られてしまう。

猫を乗せて走らせたいという野望も、叶わなかった。

ルンバよ、お前・・・、という気持ちになりつつ、重い掃除機を引っ張り出してくる気にもなれず、何となく時間が流れていた。

やがて、3本ある回転するブラシの1本がなくなった。

いかほど威力が落ちたのかは、分からない。

そしてもう1本なくなり、とうとうたった1本で、端の方をかき出していた。

ブラシは交換できるようだが、面倒だったのでそのままにしておいた。そもそもそんなに綺麗にならなかったのである。ダメージは感じなかった。

ついに、充電がイカれてきた。

稼働時間がどんどん短くなり、ついにはほとんど動かない状態となってしまったのだ。

調べたところ、バッテリーの交換で直りそうだったが、これを蘇生する気にはなれなかった。

かと言って、あれだけ熱弁ふるって買ってもらった品物である。やっぱりダメでした、新しい掃除機を買ってくれとは言いにくい。

なので、普段使わない補欠の掃除機を使うことにしたのだ。

コードレスではないが、一応スティック型で軽量の掃除機だ。

回転ブラシなどついていない、ただ吸い込むだけの簡素型である。

しかしこの快適さに、心から私は感動した。

自力で動かさなくてはならないが、私の思う通りに動いてくれるのである。取りこぼしなどない。

非力なのに、ルンバよりよっぽど綺麗になる。

掃除が楽しくなってきた。

もう、これがあればいいじゃないか。

・・・という訳にもいかないものだ。やはり「非力」が致命的だ。

猫砂(トイレの砂だ。大粒。猫が散らかすのである)を吸わない。いつもこれだけ残ってしまう。

そしてやはり、カーペットが苦手だ。ローラーに絡みついた綿ぼこりを、ここに貼り付けてしまう。もはや掃除でなく、汚しだ。

PS4は当分我慢である。

今、掃除機のおねだりをしているところだ。