私は夜が明けることを知っている。
しかしその夜明けが遠いことも、良く分かったのだ・・・。
ヘルヴィネックのチェインも安定してきたのだ。繋げるだけならもう簡単と言ってもいい。
しかし肝心のおたからが拾えなければ意味がないのである。
とにかく無理はしない。失敗したらまたザコを大量に倒す作業からやり直しなのだ。それならおたからを拾うのを見送ったほうが、経済的である。
「拾いやすい位置」というのがあり、それを待って辛抱のチェインだ。
ヘルヴィネックが階段に留まってしまったら、その回は諦める。
できるだけゾーンとの境い目に近く。
誘導したいのだが、それが難しい。こうなると、運である。
こんな感じで辛抱の5回目の挑戦は、29チェインで果てた。拾えたおたからはたったの2個。中身は沈黙のトガルであった。
諦めがつかないので、続けてもう1度、セーブしてから挑戦した。
6回目の挑戦は50チェインまで繋いだが、分かってきたぞ。
待っているだけではダメだ、ある程度「取りに」いかないと、チャンスはそうそう巡っては来ない。
しかし持ち時間は2.4秒。この時間内に拾うには、こちらから動ける範囲は非常に狭くなるのである。
そこで「最後の一撃の見極め」が必要になってくるのだ。
おたからは、正面からではヘルヴィネックの体に引っかかって取れないのだ、横に回らなくてはならない。
しかし横に回れば向こうも向きを変えてしまう。
だから、いよいよというところまで正面で待ち、最後の一撃が入る時に横に回るのである。
この「予測」は、ある程度はできるのだが、なかなかその通りにはいかない。
例えば私のバトルメンバーの場合、前衛のバッシュとバルフレア(エクスカリバー・ホーリーランス装備、Lv.66)でも、1回の攻撃が6000~12000ぐらい、と、大きなバラつきがある。ここに赤魔の攻撃がランダムに入るので、ヘルヴィネックの残りHPが6000になったからといって次の攻撃で倒せるとは限らないし、攻撃に間が空いてしまうと、リーダーが横に回ってもヘルヴィネックが向きを変えてしまったりするのである。
しかし冷静に繰り返していて、気づいたのだ。
最後の一撃からおたからを落とすまで。
この時間は一瞬のようだが、ここをビデオのスロー再生のように見ていくと、
①最後の攻撃が入り、そのダメージ量が表示される。
②チェイン数が出て、おたからが落とされる。
③ヘルヴィネックが倒れる。
④倒して入手できるLPとEXが表示される。
・・・という流れになっている。
③までいってしまったら手遅れなので、②までの間におたからを拾わなくてはならない。
ではいつ、ヘルヴィネックの横に回ったらいいのか。
これまでは予測して①の前にスタンバイしようとしていたのだが、どうやら最後の一撃のダメージ量を見てからでも間に合う。
なので、予測ができたらそこから入っていくダメージ量を見ていき、「あ、これで倒れる」と確実に分かってから動いても遅くはないのである。ただし猶予もないが。
もっと言えば、②から③までの間が一番時間的に長いが、私が失敗するのはいつもここである。「いけそうだ」という気持ちが、ギリギリの無茶をしてしまう。
慣れればここを狙った方が確実に取れるはずだが、まだその感覚を掴むには時間がかかりそうである。
いずれにしろ、慎重になるほど時間がかかることは避けられない。
夜明けは遠い。