人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子55歳。

テープ取ってくる。

眠い。

今朝も8時には眠かった。

寝てやる。

いつも9時に寝るから、起きるのが10時半になるのだ。

8時に寝れば、9時半には起きれるだろう。

それなら大したダメージはない。

ソファでふんぞり返って腕を組んだが、「寝よう」と思うと眠れないのである。

どうしてこう、努力をして寝ようとすると、寝られないのだろうか。

眠いが眠れないのだ、ここも早く決断しないと、時間はどんどん流れているのである。

起きた。

起きたら起きたで今度は眠くてたまらないが、こうなったらいつか寝るつもりで今頑張ろう。

寝る時には勝手に寝ているだろう。努力はいらない。

こうして手帳に向かったが、あまりに眠いので、早い時間には気合を必要としない家事を入れる。

栄えある一つ目は、「テープ取ってくる」である。

我が家のカーステはついにMDが聴けなくなり、今はラジオかカセットかというところである。

MP3プレイヤーの音源をラジオにつないで流すということもできるが、私はそういう音源を持っていないし、音が悪いので滅多に聴くことはない。

ラジオも意外な曲がかかったりして面白い時は面白いが、どうでもいい曲もかかったりしてつまらん時はつまらん。

となると、私のわがままに応えられるのはカセットテープだけなのである。

現在車の中に入れっぱなしになっているのは、なぜかビートルズの青版とビリー・ジョエルの「ナイロン・カーテン」の2本だけだ。

こればかり繰り返し聴いて、もうとっくに飽きている。

なので、カセットをチョイスして車に持っていこうと思ったのである、今日の朝イチで。

しかし、ちょっと面倒なことになっていた。だから車の中の2本はいまだに変化がないのだが、カセットならたくさんある。私はカセット世代だ。

このカセットたちは音楽室のクローゼットの収納ケースに入り、引き出しを引くだけで取り出せるのだが、クローゼットの前には二人がけのソファが鎮座しているのである。

もともとここにソファはなく、クローゼットの開け閉めは容易であった。

ところが、この部屋でDVDを観れるようにしたので、ソファが欲しくなったのである。

「音楽室」というコンセプトで作り上げた部屋だ、電子ドラム、電子ピアノ、アンプ、置き場のないギター、ベース、ただでさえ狭い部屋なのだ。そこにソファを置く。

もう場所は選んでいられない、そこしかなかったのである。

辛うじて右半分は開くが、そちら側には衣装ケースとLPレコードという、滅多に動かないものが入っている。

対する左はCD、レターセットなどの文房具類、ラッピング類、いつか使うだろうととっておいてある小物入れなどが入っているのだ。こっちを自由に開閉したいのだが。

重いが一応、ソファを動かすことはできる。

狭いので限られた移動になるが、これで何とか左側を開けて、これまで必要なものを出し入れしてきた。

しかし、なかなかソファを動かそうという気持ちにはなれない。

散らかっていて動かせなかったり、ソファの上に物がのっていたり、ただでさえ重いのだ、そこへ余計な労力が加わるなら後回しになってしまうのである。

カセットだけだったら私は動かなかったかもしれないが、実は手紙を書かなくてはならなかったのだ。

6月22日にバッタリ友人に会い、メールするねと言って別れたのだが、メアドがわからなかったのである。

もう2ヶ月も経ってしまったじゃないか。

だから「もしかして怒ってるの??」などと言われてしまうのである。

という事で、ソファを動かしてクローゼットを開け、カセットと便箋を取り出すことにしたのだ。

ところがいざ動かそうと思うと、ソファの上には丸裸のギターが2本、載っていた。

簡単にどくっちゃどくが、持ち上げたところで次に置く場所がない。凄い楽器密度である。

なので1本はソファの上に寝かし、もう1本は壁に立てかけたままゆっくり動かしていった。倒れるなよ。

倒れそうであるEE:AEB64

今度はソファを動かして空いたスペースに、ギターを移動させる。

こうしてやっとカセットと便箋を取り出したが、今度は戻さなくてはならない。

いやいや。

手紙を書き終わったら、残った便箋を戻さなくてはならないのだ、とりあえずこのままにしておこう。

ソファは部屋に対して斜めになったので、もうまっすぐ歩いて部屋を出ることはできなくなった。

こいせー、と言ってまたぎ、リビングに戻る。汗だくだ。

手紙を書き終わるまでに洗濯物を干しに行き、その途中で宅急便がきたので慌てて戻り、そして洗濯物干しの続きのためにソファをこいせーとまたぎ、干し終わったらまたこいせーと乗り越えた。

おかげで眠気は飛んだが、非常に疲れるスタートだった。

これは「気合のいる家事」である。