諸悪の根源は酒だが、体調不良の諸症状にも酒である。
酒で制す。
なんでこんなにスタミナが切れるのかとずっと疑問だったが、きっと貧血だ。
そもそも貧血体質だったが、ダイエットが良くないのだろう。
酒で赤血球は増えないが、症状をごまかす事はできるのだ。
そういう切なる願いは言葉に出さなくても通じるようで、先程届いたダンナからのメールは「会社出ましたEE:AE5DBEE:AE4C3EE:AE5B4」であった。
まさかこの絵文字がただの挿絵だとは言わせない。
そういう思わせぶりは、昭和のプレイボーイがやることである。
具合が悪いといっても午前中はまだ若干のエネルギーが入っていたようで、ちょっとは、やった。
捨てられない不用品はバザーに押しつけることにして、バザー行き専用の箱を作ってあったのだ。
しかしそれも今やゴミ箱同然で、不用品が乱雑に詰め込まれ、やがて入りきらなくなり、その辺一帯がスモーキーマウンテンのように不用品の山となっていた。
その山は音楽室にある。
私はゴミ山の横を通って洗濯物を干し、ゴミ山と共にピアノの練習をしているのだ。
目に映る物と言うのは自然に慣れてしまうが、「邪魔」という事にはなかなか慣れないものだ。
爪先立って腰をひねって側を通るが、これはこのまま増えることはあっても自然にバザーには行かないのである。
何とかできるのは私しかいない。
ゴミ山は待っている、私というヒロインを。
本当にゴミと混ざっていた(笑)自分でも良く分かっていなかったようである。
とりあえず不用品はきれいに磨かれてダンボールに入ったが、音楽室とリビングの往復ですっかり消耗してしまったのだ。
グッタリして伸びていたが、これは休憩に含まれるのだろうか。
そうなるとゲームの時間を減らさなくてはならない。
いやいや、これは体調不良なのだ、いわゆる有給で賄いたいところ。
さて、先程酒とラーメンをチャージして帰ったところだが、酒にラーメンである、食べすぎた、苦しい。
寝室からはもうダンナのいびきが轟いている。
私もそろそろ轟こうかと思う。