フザケンナバカヤローと言われそうだが、その通り、別に寝不足をしていた訳ではない。
酒を飲んで良く眠り、二日酔いで良く眠り、このところ睡眠時間に不満はなかった。
その代わり、まともに起きている時間が激減している。
酒を飲まずに良く眠り、翌日を有効に使うのが理想なのである。
しかし、飲まないと眠れないのだ。
アル中みたいだが、必要なのはアルコールという成分ではなくて、アルコールによるリラックスした状態である。
「眠れなかったらどうしよう」という不安、「眠りたい」という希望。
それが眠りを妨げているだろう事は分かっているので、私は自分に言い聞かせるのである。
「眠れなかったらどうしようと考えない、考えない」、「眠りたいと考えない、考えない」・・・、考えとるやんけEE:AEB64
考えないようにしたらしたで、無理が生じる。
自然にすれば緊張する。
こうしてシラフでは眠れない実績を作り、ますます緊張は高まるのである。
飲んでグッスリ眠り、翌日を無駄にするか。
飲まずに寝不足し、翌日をスッキリ過ごすか。
私は後者を取った。・・・時期があった。
寝不足が続けば、体の方が参ってすぐに眠れるようになるかもしれない。
しかし、寝不足と寝つきの良さは比例しない。
眠れないストレスが溜まるだけである。
いい加減限界、と思ったときには、午前中を潰して爆睡していた。
なぜ夜に、この眠りが来ないのだろう?
私は色々考えた。
オバケのせいだ緑を置けだとか、枕を変えろだとか試行錯誤したのち、ついに良い方法を思いついたのである。
以前一応ここで書いたが、「電気をつけたまま寝る」である。
電気がついている=まだ寝なくていい。
じゃあまだ寝ないよ。
グー。
そんな感じに、「寝ろ」というプレッシャーがかからないのである。
これで解決したはずであった。
しかし、毎晩電気をつけっぱなしである。
必要なのは寝入りだけで、夜中に目が覚めたら消してもいいぐらいなのだが、電気を消すには一度布団を出て、ドアの横のスイッチを切らなくてはならない。
この電気は引っ越してきた時にサリーのところからもらったもので、大きなまん丸の裸電球である。
裸電球なんて言うと聞こえが悪いが、大きな球体で、お月様のようなその形が気に入ってずっと使っていたのだった。
これが一晩中私を照らしていたのだが、ある日とうとう切れた。
それを機に、リモコンのついた電気を買うことにしたのだった。
新しい電気は天井に平べったくくっついているタイプで、明るさが2段階調整できる。
これを上手く使い分けて寝るつもりだったのだが、どちらも明る過ぎた。
どうやら眠るにはお月様の明るさが理想だったようで、全く眠れなくなってしまったのだ。
こうしてまた、寝不足と酒と二度寝の繰り返しになった。
これだけたくさんの人間がいるのだ、中には体質的に夜型の人間だっているんじゃないか?
どんなに寝不足をしても、私は休みの前の日なら平気で3時4時まで起きている。
その辺が私の理想的な就寝時刻なのである。
しかし、家族は6時半に起きる。
一応、こんなんでも主婦である。
合わせなくてはならないのは世間の活動時間ではなく、私の就寝時刻なのだ。
寝るしかないのである。
私はまた、色々考えた。
「眠れなかったらどうしよう」という不安、「眠りたい」という希望、そこに「明る過ぎる気がする」という迷いが加わった。
しかしついに、酒なしで寝たのである。
簡単な事であった。
明る過ぎるので、補助灯にしたのである。
この暗さは明らかに「寝なさい」という暗さだが、プレッシャーよりも、「ほら、明る過ぎないでしょ」という安堵が上回ったのだ。
上回らせたのだ。根性で思い込んだ。
成果はまだ一日だが、成功のビジョンが見える。
・・・見えるようにするのだ、根性でEE:AEB64