嫌だからと言って、やらない訳にはいかないのだ。
ペンと五線譜を持って、夜、再び音楽室に向かったのである。
EE:AE4DAEE:AE4DAEE:AE4DAEE:AE4DAEE:AE4DA
最初の曲は有名なロックンロールの曲だったが、ライブのようで、同じパターンで繰り返してくれない。
リピートは多いのに、弾くパターンがその都度少しずつ違うのである。
全部コピーするのは面倒だ、ひとつのパターンの繰り返しにしてしまえ。
これで少しは早く終わると思ったが、どうしても拾えないコードがふたつ。
拾えたものは、両手で弾けない。
これでは練習ができない。
むー、と考えて、私はパソコンに向かった。
まずはコードを調べる、そして練習だ。
タイトルを入れて、コード、と検索する。
有名な曲なのでアホほど引っかかったが、多過ぎて肝心な情報がなかなか出てこない。
ハウンドドッグ、コード、あ、書いちゃった、でももういい、どうせできないから(笑)
できない曲なんかに固執しても時間がもったいない。
私はふたつのコードの謎を残して、次の曲に取り掛かった。
次の曲は、比較的聴き取りやすい曲であった。
これなら何とかなりそうだ、と思ったのだが、一応今回もハッキリ書いておく。
私は譜面を書くのがもの凄く苦手である。
譜面と言うものには、決まりがあるのだ。
4拍子なら1小節に4拍、4分音符なら4つ分であり、それ以上多くなっても少なくなってもいけないという、算数的要素だ。
私はもうとっくに1小節の辻褄合わせは投げていて、押さえる音と、適当な休符を入れていた。
まともにそのまま弾こうとすれば、字あまり的な変拍子になるはずである。
自分さえわかればいいのだ。それで時間が短縮できて、ストレスも軽減されるのだ。
それも面倒になると「ラ」などと書いて、その上に音の長さを表す「おたまじゃくしの尻尾」の部分を書き足すようになる。
それすら面倒になると尻尾もなくなり、「ラー、ソー、ファミーー」と、もう音符ではなくただの文字となるのだ。
それでもいい、自分が分かればいいのだ。
しかし。
とうとう自分でもわからないようになってしまった。
せっかく音を拾って楽譜(あれを楽譜と言うならば)にしても、いざ弾こうと思うと自分でも訳が分からないのである。
どうしよう・・・。
これはもう「ものすごーく時間をかけてちゃんとした楽譜を書く」か、ん?あ!!いい事思いついたぞ!!
ネットで楽譜をダウンロードすればいいんじゃん!!
ああ、この展開、娘ぶー子の3年前の文化祭の時と同じEE:AEB64
親子である。
「洋楽はダウンロードできなくなったよ。」
私がウキウキしてパソコンに向かうと、ダンナが冷たく言った。
ええっ!?なんと!!
いやいや、仮にそうだとしても、世の中どこにでも隙間があって、そこに甘い汁が流れているものよ。
きっとどこかにあるはずだ、細々と洋楽の譜面を売っている闇サイトが。
あるはずだ。
あるはずだ。
あるはずだ。
あるはずだ。
あるはずだ。
譜面を書く努力はしないが、楽をするための努力は惜しまないぽ子である。
あるはずだ。
あるはずだ。
あるはずだ。
あるはずだ。
あるはずだ。
・・・こんな事をしている間に練習するほうが早いと言う事に気づいたのは、私にしては早い方だったと思う。
しかし、一度ラクできる可能性を見てしまったために、あの作業に戻るのは気が重い。
「あのー、私が言った通りに譜面にすることできますかぁ??」
ダメもとでダンナに聞く。
私の真意が伝わらなかったのか、ダンナはあっさり「ちゃんと言ってくれれば書けるよ。」と答えた。
「あのー、それは私が書くよりもずっと早いですよねぇ??」
「あ?うう??んー、ちゃんと分かるように言ってくれればだけどね・・・。」
こうして、ダンナが私の拾った音を譜面にしてくれる事になった。
こりゃ楽になるぞ、と思ったが、ダンナはもう飲んでしまっている。
あくびしてるよEE:AEB64
おーい、もうすぐ始めたいですよ~~EE:AEB5C