別にイヤだから延ばし延ばしにしているのではないのだ。
ネタがないのである。
と言うのも、昨日もしこたま飲んで夜更かし、そのせいで朝は起きれず、布団から出たのはもう11時半であった。
急いで掃除機だけかけて、サッポロ一番しょうゆラーメンを食べて会社に行った。味噌がなかったのだ。
残業もなく、穏やかな1日であった。
私がブッ壊してアロンアルファでくっつけた機械がまた壊れたが、「またつけましょう」と言って済んだ。
まぁつまり、穏やかな1日であった。
家に帰ってからは、朝できなかった、というか週末できなかった家事に勤しんだ。
ネタよ起これ、ヘマをしろ、そう思いながら皿を洗い、掃除をしたが、家事とはそもそもそんなにリスキーなものではない。
風呂に入った。
普段私は仕事から帰ると、まず風呂に入るようにしている。
そこでブログの構想を練るのだ。
ネタなんてそもそも枯渇しているが、そこから1滴のきっかけを探すのが、風呂場での仕事である。
見つからなかった。
今日は本当に涸れていた。
しかし風呂から出たら、パソコンと向かい合わねばならない。
この編集画面と。
ここを出るともう後がない、そんな気がして、風呂から出られなくなった。
湯船から出ると寒いのでいつまでも浸かっていたが、だんだん息苦しくなってきた。
しかしまだだ、ネタがない。
フゥ、フゥ・・・。息が荒くなってくる。
暑い、頭がクラクラして来たぞ。
集中できない。
今日、私は何してたっけ??
だから寝て起きて仕事しただけ・・・、これではいつまで経っても風呂から出られない。
「ダーEE:AE4E5」と心の中で叫んで、湯船から飛び出した。限界。
芸人じゃないんだから、なんでこんな。
風呂場を出ると今度は寒い。
もう、こんなんじゃ1滴のネタなんか探せないっつの。寒い、寒すぎる、日本の冬。
観念してパソコンを立ち上げる。
宿題を忘れて授業に挑む気持ち。
真面目に考えようと思うと、どうでもいいことばかり浮かんでしまう。ex.馬鹿げたクリスマスとか。
晩御飯を食べ、開き直って飲む。
そのままグラスをパソコンの前に置き、むー、と頭を抱える。
トコトコとエルがそばを通る。
集中していないので、すぐにそっちに気をとられる。
座ったままエルを抱き上げた。
無駄な行為である。
エルは抱っこが嫌いで、抱こうものなら蹴っ飛ばされるか、顔面を容赦なく引っかかれるのだ。
分かっちゃいるが、私はエルを丸めてお腹を上にして抱いた。
一番嫌がる危険な抱き方である。
目を合わせると顔を引っかかれるので、抱いたまま顔を背けていた。
こうなると次は蹴っ飛ばされる予定である。
顔を背けていたので気づくのが遅れたが、どうりで攻撃が来ないと思ったら、何とエルはそのまま寝ていた。
き、奇跡!?もうすぐ私は死ぬのか!?
辛うじて尻尾だけが「寝るもんか」と言わんばかりにパタパタと動いていたが、やがてそれも止まり、すっかり体の力が抜けた。
エルが!!寝てる!!抱っこで!!
私は大きな小声でダンナを呼び、「これ見て、これ!!」と目で合図した。
ダンナは立ち上がって覗き込み、そのついでにコンポのおすすめチャンネルを「おやすみチャンネル」に変えた。
途端に「アヴェ・マリア」が流れ出したので、こらえ切れなかった笑いで腹筋がユサユサと揺れた。
ちょー、えぅが起きちゃうよ!!
どれ程そのままでいただろうか。
グラスの中の氷は溶けてしまった。
時間は11時を回っている。
私はまた大きな小声でダンナを呼び、「た・す・け・てEE:AEB64」と口パクで伝えた。
ちょうどエルのご飯の時間だ。
ダンナに起こされて呆気なく離れていった。
ところで今回の記事は、観念してパソコンを立ち上げたあたりで終わる予定だった。
その文の途中でエルが寝たので、思いがけずこんなに長くなってしまった。
ネタはあるとありがたいが、できれば早い時間に頂戴したい。