わかった、正直に言おう。
寝ている。
ぽ子はいつも寝ている。
いつも寝ていたのだ。
不景気の煽りで仕事が週に3日になってしまった上、1日たったの3時間である。
休憩時間を引くと2時間45分。
休日もたいがい寝ているが、週に3日の出勤日ですら、仕事から帰ってまず寝ているのだ。
特に先週は毎晩怒涛のように飲んでいたので、午前中も使い物にならなかった。
精一杯頑張ったのはゲームとカレーとつけ麺だけである。
4時半には家に着いているのだが、私としてもこれ以上時間を無駄にしたくはない。
2種類あるゲームのうちどっちをやるか・・・と考えていたが、なぜか眠くなってしまうのだ。
「眠い」「寝ちゃダメだ」の葛藤は時間の無駄である事を学んだ。
寝るならサッサと寝るべきなのである。
葛藤したって結局寝るのだから。
場所を移動するのももどかしく、ダイニングのイスで目を閉じる。
ハッ、いけないいけない、これもいいところで尻が痛くなるので、どうせ寝る(ヤる、と読んでやってくれ!)ならソファからのスタートだ。
嫌な予感はしていたが、ソファで横になる。
ベッドで寝ると爆睡して起きれなくなる恐れがあるからだ。
そして嫌な予感はやはり的中する。
「なー」(ぽ子さん)
「なー」(起きて起きて)
「なー」(お腹もすいたし)
「なー」(抱っこもね)
なぜお前はいつもこのタイミングで鳴くのだ!!
滅多に鳴かないミだが、なぜかこの時ばかりはしつこく鳴く。
本当にしつこい。
ほんっとうに、ほんっとうに、しつこい。
しかし私はそれ以上にしつこいのだ。
絶対に、絶対に、負けはしない。
「ウルサイッ!!」と一喝するが、トータルで10喝ぐらいしているだろう。
お陰ですっかり目が覚める。
そう、実はぽ子の負けである。
しかし勝負はこれから。
寝てしまえば勝ちなのだ。
私は怒りに任せてミを風呂場に閉じ込め、再びソファに横になった。
勝った勝ったEE:AEB86オヤスミ、ふふふん。
やっとまどろみ始めたと思ったら、今度は外からバラバラという音が聞こえてきた。
その正体が分かるや否や、私は飛び起きて走り出した。
雨である。
今朝もほとんど寝て終わったが、洗濯だけはしたのだった。
娘ぶー子のバイト先の制服である。
今日洗わないと後がない。
しかし洗ったはいいが、あまりにも面倒だったので干したのはその制服だけである。
そんな頑張って干した制服が濡れるなんて、一大事だ。
フー。
それらを取り込むと、もう私は意地になっていた。
もう時間は5時半だったが、何が何でも寝てやる。
5分でも10分でもいい。
とにかく寝てやる。
それが私の勝利なのだ。
私はリビングには下りず、ベッドに横になった。
くそ忌々しい。
なぜかこの時間に寝ようと思うとミは鳴く、メールが来る、電話が鳴る、宅急便が来る・・・。
今だって、制服を取り込んだ途端に雨が止んだじゃないか。
絶対に寝てやる。
お前なんかに負けない。
しかし悔しくて眠れなかった。
眠れなかったが、悔しくて起きられもしなかった。
6時。
結局1時間半を無駄にした。
あぁ、1時間半もあればゲーム、たくさんできたのに・・・。
もうこうなったら飲んでやる。
えっ?
そう??
飲むの??
やほ~~~!!