人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子55歳。

20年の歳月

学校は、見つからなかった。

あれから20年という歳月が流れ、私の記憶も曖昧な上に様子もすっかり変わっていたので、とうとう見つけられなかったのだ。

ノスタルジーに浸るどころか、面影すら残っていなかった。

挙句、迷ってダンナとの合流に手間取ってしまった。

しかしダンナと合流する寸前に突然、バイト先の方が現れた。

ハンバーガーショップである。

それ自体は変わっていなかったが、もう周りの様子に見覚えはなく、こちらも懐かしいとは言い難い。

坂を上ってつけ麺屋に行き、帰りは別の駅まで歩いた。

すっかり疲れてしまった。

娘ぶー子のバイト先のレストランを通る時には自転車を降り、「いるか?」「どこだ?」と店の外から首を伸ばしたり体を屈めたりして覗き込んだ。

私は今、梅宮アンナの自伝を読んでいるが、アンナの初デートに双眼鏡持って尾行した父辰夫とそっくりである。

金曜なので飲んでいるが、飲み続けでいい加減喉が痛い。

疲れて眠いし、今夜はそう長くないかもしれない。