それぞれがそれぞれの家にいながらにして、ゲームの世界で会えるのがオンラインゲームの特徴であり、魅力でもある。
これまでひとりで地味にプレイしてきたが、ついに会社の仲間と合流する事になった。
とは言っても彼らとはレベルにも経験にも雲泥の差があるのだ。
一緒にプレイする、というのではなく、レクチャーしていただくと言った方が正しいだろう。
全くその通りであった。
私は彼らのあとをついて行き、ここ掘ってごらん、ここはこうすると登れるよと一つずつ教えてもらってはそれをやっていく。
初めてピッケルで岩を掘ったが、
「なんだ?この光景は。」
「まるで授業参観だ。」という会話がなされていた。
私がカーンカーンと掘っているのを、残りの3人が後ろで見守っていたようだ。
ザコい敵は「倒してごらん」と言う。
それは鹿のような動物だったが、すばしっこいのでなかなか倒せない。
彼らは手際よく倒して行き、「ほら、剥いで剥いで」とまるで野生動物の親が子供に狩りを教えるが如しである。
ぽ子は何だか嬉しくて楽しくてニコニコついて行ってるが、これでは彼らには単なる時間の無駄である。
彼らに報いるためには、早くハンターレベルを上げて足手まといにならないようにならなくてはならないが、なかなか時間がなくてしばらくはこの状態が続きそうである。
記念にピッケルと爆弾がメールで届いていた。
うう、ぽ子、頑張ります。