人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子55歳。

結局ナメちゃいるけど

ナメちょるのかと言われればそんなつもりはないのだが、いや、結構ナメちょった。

というか、結局ナメちょります。

職場のジャジャマキである。

30歳を目前にした、子持ちの女性である。

しかし、なぜにこんなに「女性」という言葉が似合わないのだろう?

今、文章にしてみてとても違和感があった。

まぁ良く言えば気取りのないボーイッシュな子である。

しかし問題はそのヴィジュアルではない。

これまでいくつもの伝説を残してきた彼女である。

カリスマ性のある方の伝説ではない。

「やっちまったなぁ」の方の伝説である。

まぁ仕事の失敗を挙げれば私もどっこいどっこいなので言わないが、その多さと規模の大きさでは定評がある。

その後の「だって・・・」から始まるリアクションも、なかなかその辺では見られないもので貴重だ。

プライド高き一匹狼は決して人に弱みを見せないが、その高みから人を見下ろすので皆、笑顔で頑張って受け止めている。

つまり、少々困ったちゃんな訳だ。

なので始めのうちはずいぶん職場は荒れた。

私も相当イライラさせられたが、まぁ慣れた。ひとつ大人になった気がする。

悪いヤツではないのだ。

単純で分かりやすい。

コツさえ覚えれば、そこそこ上手くやれるものだ。

そんな彼女が、また仕事でミスをした。

大量の不良を生産したため、それを私達熟女パートが手直ししていたのだが、「ちゃんと見ながらやってたのか?」というツッコミに対して「ちゃんと見てた!!」と逆ギレしていた。

それを聞いた私は逆ギレに本ギレしたのだが、だったらこれはどうしてここにこんな状態であるのか?

「最近、目が疲れてたりするの?」というグッティ氏のウィットの効いた嫌味ですら「救いに船」とばかりに「・・・ウン、目ならずっと疲れてる。」と答えるジャジャ。

久々に私は脱力して職場を後にした。

そしてこの日、私は携帯を会社の作業着のポケットに入れたまま帰ってしまったのだった。

実は二日連続である。

まぁどうせ、家族ぐらいしか連絡は取らないのだ。

悲しい事に困ることなどない。

翌日はジャジャは休みであった。

あらかじめ取ってあった休みなので気にもしなかったが、会社に着いて携帯をチェックすると、「何度も同じ失敗をしてすみません」とジャジャから前日にメールが来ていた。

ありゃりゃ、これではスルーした形である。

恐らく「怒らせたか」と不安なまま、一晩が過ぎた事だろう。

すぐにでも返事をしてやりたかったが、私はいつもギリギリに出勤するので時間がない。

まぁナメちょると言えば、そういう部分があったかもしれない事は否めない。

3時の休憩までである。

しかし昨日に限って仕事が切れなくて、3時休憩にかかってしまった。

まぁいいや。

ここまで延びたら、もういつでも変わらないだろう。

ナメちょるからできるのかもしれないが。

家に帰ったら帰ったで、娘ぶー子の勉強をみてやった。

ぶー子の気分には波があるので、「今だ!」という時を逃すと次まで待たなくてはならないのだ。

そのうちにダンナが帰り、一緒に飲み始めてしまった。

かわいそうにジャジャは、私が相当怒っていると思った事だろう。

うん、ジャジャをナメちょるんだろうな。

なので今朝起きたらまず、ジャジャにメールをしなくてはと思った。

思ったのだが軽い二日酔いとひどい睡魔に負け、ソファで寝てしまった。

目が覚めたら午前の残り時間が少なくなっており、ゲームを優先しなくてはならない状態だ。

当然ジャジャは後回しである。

やっとメールをしたのは昼休みに当たる時間だ。

ジャジャの態度には正直腹が立っていたので「そりゃねぇだろう」と軽く説教をしてやったのだが、気の強い彼女が「悪いのは自分だ。今後気をつける。ハッキリ言ってくれて嬉しかった、ありがとう。」と返してきた。

私が彼女との繋がりを切らずにいるのは、こういう部分があるからである。

気は強い、人の話は聞かない、でも正面から正論を叩きつければちゃんと受け入れるのだ。

・・・ってまぁ、当たり前のことだが。

しかしジャジャの世界にあってこれは、素晴らしい長所である。

相変わらずイライラするヤツだが、そんなに嫌いじゃないのかもなとこんな時に思うのであった。