人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子55歳。

行きなさいというので行ってきました

「だって健診だったんだもん・・・。」

理由はそれだけである。

やる気ナシナシ、アホのような午前中であった。

9時に病院受付、時間厳守、と書いてあった。

朝のゲームも朝のパソコンも朝のピアノギターもナシだ。

朝の洗濯。う~ん、真っ当な朝である。

自転車で20分程行ったところの病院だ。

以前少しの間勤めていた宅急便の営業所の近く。

時間も同じじゃないか、久しぶりだ。

小さな川沿いの道をチャリチャリこいでいたら、職場の人間とすれ違った。

彼は私のいる本社ではなく、第2工場に派遣で来ているのだが、あっちが暇らしいのでこの頃本社に来ている。

彼が本社に来るまでに、すでに「第2にイケメンの派遣がいるらしい」という噂が流れていた。

そのイケメンが本社に来るというのでパート仲間は色めき立ったが、私は午後出勤のためなかなか会えなかった。

そのイケメン、数日後には「イケメン風」と呼び名が変わっていた。

遅ればせながら私も彼を拝む事ができたが、確かにイケメンであった。

それっぽくもあるが、ちょっとまがい物の臭いがする。

そんな彼とすれ違ったのだ、自転車で。

一瞬の事で挨拶もしなかったが、実は彼だとは知らずに遠目に「お??♪♪」と思ってしまった。

しかしやはり近くで見ると「あれ?」となる。

や、別にそのままで充分かっこいい部類に入るタイプだが、一瞬ものすっごくかっこ良く見える気がしてしまうのだ。

でも良くみるとものすっごくかっこ良くはない。

彼のせいではないが、彼は損をしていると思う。

健診とは言っても、私達パートは大した事はしない。

尿検査、胸部レントゲン、後は身長体重血圧視力聴力、まぁ電気屋と大型スーパーでわかりそうなものばかりだ。

しかし、最後に医師の診察がある。

診察と言っても聴診器で胸の聞いて、2、3質問に答えるぐらいなのだが、この診察が10時10分からだと言う。

私達が他の全ての測定や検査を終えたのは、9時15分であった。

「9時に集合、時間厳守」と呼びつけておいて、診察は10時10分!?

かくして私達10人ほどの被検査人は、老人ホームの午後のように静かにテレビの前に集っていた。

私は本を持ってきていたからそれを読んでいたが、やがて隣で「オレンジページ」を読んでいたパート仲間のお腹がぐぅぅぅぅ~~~・・・と鳴った。

「お腹すいちゃって・・・。」彼女は照れくさそうに笑った。

昨日の夜9時以降は、飲食禁止だったのだ。

彼女はちゃんとそれを守ったのだろう。

私の腹は大人しくしていた。

なぜなら朝ご飯としてダンナと娘ぶー子の残したサバの皮とご飯を食べて、なおかつコーヒーも2杯飲んできたからだ。

ついでに言うと、昨日は10時に400gのステーキセットを食べ、11時半まで飲んでおった。

今日、問診表を記入するためにチマチマした説明をちゃんと読んだら、「前の晩の夕食は、できるだけ脂っこいもの(動物性)や甘いもの、アルコールを避けて下さい。」と書いてあった。

ニンニク食うなとは書いてなかったからここはセーフだが、至近距離での医師の診察でちょっと冷や汗をかいた。

しかも彼は、「最近急に体重が増えたり減ったりした事は?」などの質問の最後に「では舌出して下さい。」と言ったのだ。

うへ~、ニンニク舌ベロベロベ~である。

ついでに問診表の方だが、このように、当てはまるものに丸をして、いくつ以上あったら危険であるという類は、大体において私は危険因子に入る。

朝ご飯を抜く事があるか、魚より肉が好きか、野菜をたっぷり食べてるか、1日1時間以上運動するか。

親の小言かっ。不摂生は承知の上である。

医者というのはネガティブな烙印を押したがるものだ。

血圧がちょっと低かったぐらいで、特に問題はなかった。

レントゲンと尿検査の結果は後日だが、まぁ尿検査はステーキ汁やらサバ皮汁やらが混じるだろうからアテになるまい。

こんな健診になってしまったが、実は本命は夏にあるのだ。

今回のは半強制だったから来ただけで、私には毎年行っている健診がちゃんとある。

すきっ腹でバリウムだって飲んでいる。

そんな訳で、単なる冷やかしになってしまったが、会社が行けというので行ってきました。