風邪っぴきのダンナを休ませるためにウォーキングを中止にしたのだが、激しく疲れた。
買い物め、やりおるな。
新座のデオシティに行く。
「買い物」と言うと、釣り針に食いつく魚のように、娘ぶー子も釣れた。
あわよくば、何か買ってもらおうという魂胆である。
・・・の前に、ラーメン屋だ。
2台分しかない店の前の駐車場が、1台分空いていた。
ラッキー♪と、停めている間に2組、店の前に並んでしまった。ガックシ。
「ぶー子、計算して。」
食べ終わるとダンナがぶー子に計算させた。
ぶー子はなめられてたまるか、とばかりに得意げに暗算を始めた。
「2310円。」本当か?
私はサイフから2310円キッチリ出すと、サイフはバッグにしまった。
「ちょっと待ってっ!!間違えてるかもしれないから、サイフはまだ出しておいた方が・・・。」ぶー子がたじろぐ。
「信じてるから。」
意地悪く言ってやるつもりが、間違えて「愛してるから。」と言ってしまった。
この世に生まれ落ちて17年目の、母親からの愛の告白に、さらにたじろぐぶー子である。
ショッピングとは、ウォーキングであった。
品定めに夢中になっているのでその場では気付かなかったが、かなり歩いている。
歩数計を持ってくれば良かった。
クタクタである。
もう疲れた、帰ろう、と言ったら「まだまだ先は長いんですよ。」とぶー子。
この後地元のジーンズショップと古本屋に寄れと。
しかも古本屋に至っては、近所に1軒あるにも関わらず、遠い方に行けとのリクエストである。
ジーンズショップでは、目当てのパーカーがあった。
おとといあたり、「ねぇ、パーカー欲しいんだけど・・・。」とぶー子が遠慮がちに言い出した。
金を出すのはダンナである。ダンナに言いな、と言うと「買ってくれるかなあ・・・。」と、弱気である。
そこで私が「こう言えばオトせる」というねだり方を伝授してやった。
彼女はそれと引き代えに、ダイニングの掃除をする事になるのだが。
その夜ダンナが帰ってくると、早速ぶー子はダンナと向かい合うように座った。
「3000円のパーカーって、高いと思う?」
いきなり「買ってくれ」ではダメだ。断りやすい。
がっつくヤツに、女神は微笑まないのだ。
「え~?ものによるんじゃない・・・?」全く思った通りの返事である。
「すっごいカワイイのを見つけちゃったんだ。」
すでに嫌な予感はしているはずだ。
「もしね、そのかわいい3000円のパーカーを、かわいい娘が欲しいって言ったらどうする??」
あぁ!!なんて可愛らしいおねだり!!ぽ子、もっと若いうちに男に貢がせるべきであった。こんな才能があったなんて。
「・・・最初の一言目からもう怪しかったよ・・・。」
ダンナはそうとだけ言って、肝心な返事はしなかった。
まぁでも今日ここに来たという事は、ぶー子の念願は叶ったという事だろう。
私の作戦がどこまで功を奏したのかはわからないが。
しかし結局、買わなかった。
他の服を見ているうちに、どれもこれも欲しくなってしまったらしい。
勝手に2兎を追い、自滅である。
古本屋でも、かなり長い間見て回っていたが、ぶー子は何も買わなかった。
古本ぐらい、ダンナは言うがまま買ってくれるだろうに、なぜなのだ?
「欲しいものがあり過ぎた。」
そう言っていたが、とりあえず数冊、という考えはないのか?
オール・オア・ナッシング、ゼロか全てかなのか?
ところで古本を長々見ている間、突然ダンナが私を見つけて走り寄って来た。
片手にギターの教則本を持っている。
「ほらほらほらほらっ!!」
興奮気味に見せたページにはCのコードが大きく載っていた。
「『最初はCから』でしょ!?」
ダンナはページをめくると誇らしげに、
「『次にはFを覚えましょう』!!」とニコニコ笑いながらそのFの図を指して言った。
ダンナからギターを習い始めて1ヶ月が過ぎたが、ドレミファソができるようになってきた私に次に彼が出した課題はコード、和音であった。
しかしそこにはFという難易度の高いコードが含まれていて、私は苦労した。
彼なりにこのコードを選んだ理由があるはずだ。
期待に応えたい。
私はYahoo!の知恵袋にアドバイスを乞い、またこのブログ上でもグチをたれたので、コメントから貴重な話を頂いた。
「Fはまだ早いんじゃないかと誰もが言ってるよ。」
私は大げさにそう言って、遠まわしに課題コードの変更を要求し、結果、Fの代わりにAmとEmにしてもらったところであった。
ダンナは自分の選択が間違っていなかった事を知り、満足そうであった。
その二言だけ私に言うと、サッサといなくなってしまった。
クッタクタに疲れて家に戻り、着くなりみんなグッタリ座りこんでしまった。
しかし、酒パワーで復活の兆しである。
ヒッヒッヒ。