最終的に母は、意識不明でこんこんと眠り続けた。
そんな頃に兄が教えてくれた映画であった。
「音は時々、届いている気がする。」
兄は言っていた。
監督:ダルトン・トランボ
キャスト: ティモシー・ボトムズ、ジェイソン・ロバーズ
第2次世界大戦に出征したジョーは戦場で重傷を負い、意識不明の重体となっていた。
手も足も顔も爆弾でなくなり、脳にも激しい損傷。ただ生きているだけの塊となったが、研究材料として密かに病院で生かされることになる。
感情移入は不要、倉庫部屋で窓も閉め切り、ただただ生かされるジョー。
ところがジョーに、意識はあったのだ。
手もなく、足もなく、目も、耳も、口もなくなったジョーに残されたのは、「感覚」だけ。
夢と現実を行き来しながら、長い長い月日が流れていく・・・。
夢と現実が交差しながら時は流れていくが、膠着した冷たい現実に対し、色のある懐かしい、あるいは希望のある夢。
それは自分が作り出したものなのか、はたまたあの世との境い目なのか。
その不思議な世界は、何かを示唆しているようでもある。
時にシュールなその世界観は、少し怖いようなどこか懐かしいような気持にさせる。
後味の悪い展開だったが、あの不思議な世界が妙に印象に残った。
反戦映画なのだろうか?
何を伝えたいのかが良く分からず、個人的には娯楽映画の域であった。
本当にこんな事があったら嫌だなぁ。
ぽ子のオススメ度 ★★★☆☆
ダンナのオススメ度 ★★★☆☆