迷ったときは、過去に読んだことのある作家から選ぶようにしている。
ハズレがないので、藤本ひとみから適当に。
革命以前のフランスを舞台に、4人の女性の運命を描く短編集。
実在が確認できたのはその中の二人だけだが、どうやら事実に基づいて作者の想像を盛り込んだ話のようである。
ルイ14世の愛人になるためにのし上がっていくマリアンヌ。
仲間を殺され、復習のために貴族の館に乗り込んでいく、詐欺師のマドレーヌ。
亡くなったはずの貴族の娘と間違えられ、修道院から出ることができたアユーラ。
婚期を逃し、女だてらに蝋人形館を切り盛りするマリー。
「世にも恐ろしい」というほどの話ではなかったが、ドラマチックな藤本節で楽しく読める。
目に見える結末ではなく、あとに残る「嫌な感じ」がどの話も特徴的であった。
しかし私はあまりそういうのは好みではないので、スカッとした結末が欲しかった。
長編の方がいいかな?
ぽ子のオススメ度 ★★★☆☆
「令嬢たちの世にも恐ろしい物語」 藤本ひとみ
集英社文庫