人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子55歳。

令嬢たちの世にも恐ろしい物語 / 藤本ひとみ

迷ったときは、過去に読んだことのある作家から選ぶようにしている。

ハズレがないので、藤本ひとみから適当に。

革命以前のフランスを舞台に、4人の女性の運命を描く短編集。

実在が確認できたのはその中の二人だけだが、どうやら事実に基づいて作者の想像を盛り込んだ話のようである。

ルイ14世の愛人になるためにのし上がっていくマリアンヌ。

仲間を殺され、復習のために貴族の館に乗り込んでいく、詐欺師のマドレーヌ。

亡くなったはずの貴族の娘と間違えられ、修道院から出ることができたアユーラ。

婚期を逃し、女だてらに蝋人形館を切り盛りするマリー。

「世にも恐ろしい」というほどの話ではなかったが、ドラマチックな藤本節で楽しく読める。

目に見える結末ではなく、あとに残る「嫌な感じ」がどの話も特徴的であった。

しかし私はあまりそういうのは好みではないので、スカッとした結末が欲しかった。

長編の方がいいかな?

ぽ子のオススメ度 ★★★☆☆

「令嬢たちの世にも恐ろしい物語」 藤本ひとみ 

集英社文庫