ネタなくて(笑)
まぁ主婦の平日なんて、基本こんなものである。
じゃ、洗濯の話でも。
・・・というのもゲンナリなので、今回はテレビで見たペンギンのおはなし。
鳥類は一夫一妻で仲が良いというイメージがあったが、ペンギンも例に漏れず、夫婦で仲良く子育てをし、家庭を築いていくようだ。
テレビで見たのは確か、どこぞの動物園のフンボルトペンギンだったと思う。
メスのハクとオスのジャンボの間に子供が数羽生まれ、力を合わせて子育てをしていた。
フッ、この書き方。
そうなのだ、この夫婦に不幸が舞い降りるのである。
まだ子供も小さいうちに、突然父親のジャンボが死んでしまったのである。
原因は分からずじまいだったが、とにかく、母親のハクと子供たちだけが残されてしまったのだ。
ここからが驚きだったのだが、その日からハクは全くご飯を食べなくなってしまった。
飼育員が作った小さな家を出て、ただボーッと空を眺めていたり、探すような仕草をしたり。
ハクは明らかに、突然伴侶を亡くしたことに戸惑っていた。
こんな時は母性が勝つのかと思っていたが、子供は放置である。
子供は親から口移しでご飯をもらっていたのだ、お腹を空かせて懸命に鳴いている。
しかしハクは、まるでジャンボを待つように、いつまでも飲まず食わずで家の外で佇んでいるのである。
子供たちの体重は減り始めた。
飼育員は保護するかと話し合ったが、ここで子供を取り上げてしまったら、ハクが立ち直る機会がなくなる気がするという結論で、ギリギリまで見守ることにした。
5日目。
いつものように飼育員がハクの名前を呼んでご飯の魚を差し出すと、とうとうハクはそれを食べたのだ。
そして何事もなかったように子供たちにそれを口移しで分け与えた。
ハクは乗り越えたのだ。
その後は問題なく子育てを再開したようだが、私は驚いた。
ペンギンに「悲しい」という感情はあるのだろうか。
単純に「あったものがなくなった」という戸惑いで済ませるには、ハクの5日間は悲しく映る。
空腹に耐えかねて子供たちはみんな大声で鳴き続けていたが、それをよそに、ただ空を見ているのである。
その姿は単なる「喪失」とは思えない。
5日目にハクの中に何が起こったのかは分からない。
さすがに「こんなにいつまでも落ち込んでちゃいけないわ。まずは魚を食べて子供にあげて、そこから始めてみるわ。ジャンボ、見ててね。」などと決心したのではなかろうから、ジャンボの記憶が薄らいだか、空腹が限界に達したか、突然母性が目覚めたか。
いずれにしても、ペンギンというこの小さな鳥の中に、複雑な感情が入っていることに驚きを覚え、夫婦の絆に感動した。
次はぜひ鳥に生まれたい、などと思ったが、生きるのが大変そうだの!
願わくば、動物園のペンギンに生まれ変わりたい(笑)