人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子56歳。

1日が始まってから1日が終わるまで

どうやら「眠気」というものは、放っておいても勝手になくなってくれる訳ではないようである。

そんなに飲み過ぎたつもりはなかったが、寝起きは最悪だった。

あまりの眠気に怒りすら感じたが、自業自得である。

しらばっくれて寝ているほどの二日酔いではなかったので、嫌々起きたのであった。

しかし、晴れだ。

「後で寝てやる」と言い聞かせて何とか起きたのだが、晴れたなら洗濯をしなくてはならない。

シーツとバスタオルが汚れ物カゴに入っているため、膨れ上がっていかにも「ぜんっぜん洗濯してません」みたいな見てくれになっている。

濡れ衣だぜ、ハニー。とにかくこいつを洗わないと、バツが悪くてしょうがない。

しかし洗濯していて気がついた。

もうそれほど眠くはない。

喉は渇いていたが、そんなに悪い状態ではないぞ。

ただし、致命的に足りないものがひとつだけある。

「やる気」だ。

迷った。

体調は悪くないんだから、ここはいつも通りに動いて自分の価値を上げる数少ないチャンスである。

しかし一応昨夜しっかり飲んでしまったために、私は腹が減っていた。

サッポロ一番みそラーメンを激しく欲していたが、あれを食べたら寝てしまいそうな予感がする。

しかし他にあるのはサンマである。

断じてサンマの朝ではない。

いつも通りに動くためには朝食が必要で、朝食として考えられるのはポロ一しかない。

しかしポロ一食べて寝てしまうなら、何も食べないで寝た方がまだいいんじゃないか?

違う。

一番いいのは、「ポロ一を食べていつも通り動く」である。

ここまで書いて、果たして「動く」のがいつも通りなのか「動かない」のがいつも通りなのか怪しいものだと思ったが、そこにこだわると長いのでとりあえず便宜上「動く」にして話は進める。

とにかくこの「一番いい」というセンを狙う事にしたのだ。

ダメでもいい、挑戦ぐらいしてみようと。・・・そんなに大きな事でもないがEE:AE4E6

ポロ一を食べ終わって立ち上がると、エルがサッと足元を駆け抜けて行き、隣の和室への扉の前にキチッと座ってこちらを振り向いた。

尻尾をパタンパタンと軽快に振って、期待している顔である。

・・・そこに入りたいのか。

入るだけならいい。

入るだけならいいのだ。

扉を開けるとそこには、ダンナの万年床が敷いてある。

珍しく布団はきちんと整えてあり、その上で快適に横になる事ができた。

こちとら満腹である。少し休んだほうがいいに決まっている。

寝なければいいのだ。

そんなに眠くはない。

エルはすぐに枕元にやってきて座り、私の肩の辺りをしきりにポンポンと叩いた。

・・・催促している、アレを。

布団を。

嘘ではない、若い2匹は布団が大好きで、このように体を叩いたり引っかいたりして布団を要求するのである。

だから私は普段寝るときのように布団を肩まで上げ、エルをいざなった。

案の定かかったEE:AE4F9

エルは布団の中でひとしきり自分の体を舐め回すと、コトンと顎と手を私の肩に乗せて寝てしまったのである。

腕枕、萌え~EE:AE478・・・とか言ってる場合じゃなかった、どうするこれ??

たった今、目を閉じたばかりである。今起こすのはあまりにも酷だ。

しかし時間が経ったら経ったで、こんなに気持ち良さそうに寝ているのに起こすのは酷だ、となる。

そのうち迷いはなくなった。

私も寝たからである。

昼になってしまった。

しかし私は専業主婦だ。

これまでは午後から仕事に出ていたのでここで終わった感があったが、まだ午後がある。

とりあえずサンマを食べなくては。

サンマを食べたらかったるくなった。

何だかもう何もかもがどうでも良くなってきた。

こう言うときの時間の流れは、決して遅くはない。

気がついたらもう夕方であった。

寝てもいないの気がついたら夕方って・・・、と思われるかもしれないが、一応起きてはいた。

起きて「・・・をしなくては」「・・・にしておくか」「・・・ならできるかもしれない」などとウジウジ考えているうちに時間はどんどん過ぎ、もう諦めるしかない時刻になっていたのだった。

晩ご飯は一晩かけてマリネした肉を煮るだけで簡単だと思っていたのだが、いざレシピをみるとそれは「圧力鍋」であった。

うちの平凡鍋とは煮込み時間のスピードが全然違う。

これでは間に合わない。

終わった・・・。

何もかも終わった・・・。

そしてぽ子の1日も終わる・・・。

もうホント、平日は飲まないようにしたい・・・、何度目かEE:AEB64