人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子56歳。

充実した休日

フシュー、という音で目が覚めた。

一体何時だろうか、もう外は明るくなっていた。

う、喉渇いた、頭痛い。

昨日もちょっと飲み過ぎたようだ。

何だってこういつもOverしてしまうんだろうか。

まぁ土曜日だ、節制なんてつまらん事する日ではない。

しかしなぜフシュー?

音のした頭の上の方を見ると、なんとエルが腰を低くして戦闘態勢に入っていたのでぶったまげた。

何でエルがここに??

あぁ、寝た時の記憶がない。

現在寝室ではチビクロちゃんを軟禁しており、他の猫は入れないようになっていた。

エルだけは興味を示して入りたがったので一度だけ入れたが、その気配だけでビビッて寄り付かなくなっていたはずである。

分からない。

さっぱり思い出せないが、きっと私が酔っ払って連れてきてしまったのだろう。

エルは赤ん坊のチビに向かって、遠くベッドの上から懸命にフシューフシューと威嚇していた。

土曜日だ。

休日だが、ダンナが出勤である。

私は家にひとり取り残されたが、無駄にしたくはない。

しかしこの二日酔い。

何もする気が出ない。

何かあまり気合の入らない事で、充実した休日にできないものか。

できます。

軟禁中のチビクロちゃんは、1日4回のミルクの時以外にケージを出ることができない。

その時にできるだけ遊んであげるようにしてはいるが、4回中半分は出勤前、寝る前なのであまり時間がない。

残る2回も家事の合い間なので、程ほどに遊ぶしかできないのである。

ピーピーと鳴く子猫をケージに閉じ込めて去るのは非常に辛い。

そうだ。

今日は子猫とたっぷり過ごそうじゃないか。

まぁ分かっていた事だが、子猫はミルクを飲んでちょっと遊ぶとすぐに寝てしまった。

しかし今日はケージに戻さなくてもいいのだ、私がここにいるから。

そしてそのまま昼まで一緒に寝ていた。

昼になると娘ぶー子とランチを食べに行き、戻るとまたミルクだ。

ミルクを飲めば子猫は少し遊んで眠り、私もそれを守るように眠る。

ベッドから落ちるといけないので、私の体を土手にして守るのである。

それで私はもう使命は果たしたつもりになっていたが、時々目が覚めてみるといなくなっているのでそのたび冷や汗が出た。

まぁたいがい布団の奥深くにいたが。

チビのおかげで充実した休日になった。

これから夜の街でダンナと落ち合うが、ここでさらに休日した充実にしようと思う。

ラストミルクが危ぶまれるが、そこは丸1日柵に挟まって放置に耐えられたチビのことである、なんとか切り抜けてくれると思いたい。