とある金曜日。私達夫婦は、タムさんと飲んだのだ。
タムさんとは、バンド仲間でちょいちょい飲む機会はこれまでもあったが、こうして改めて3人で外で飲むのは初めてのことである。
彼が来たのはすでに2本目のワインに突入してからであり、私達はすでに結構酔っていたと思う。
それでも私は、聞きたいことがあったのだ・・・・・・・。
タムさんについて、おさらいしておこう。
彼は典型的な理数系人間で、科学的に説明のつかないことを信じない。
簡単に言うと、霊やUFOの存在を完全否定していて、飲むと良く議論になったものだ。
彼のいう事は至極真っ当で、理解はできる。
しかし私が思うには、その論理は「地球」「タムさん」の中での正論であり、その枠の外にある存在があるのではなかろうかと。
こんな訳で私とタムさんは、飲んでは衝突を楽しんでいた。
「だってね?幽霊を見たとかっていう話、あれ、なんでみんな『友達の友達が』とか、『弟が』とかなの?本人の経験談を、聞いたことがない。」
確かに、これでは説得力に欠ける。
しかし私も周りの人も、せいぜい「・・・のような気がする」程度の経験しかなく、タムさんに証言として突きつけるには決定打がない。
例として、私に一番近い経験談は、ダンナの友達の叔父が亡くなった日にその友達のところに訪ねて来た、という話だ。
ダンナはこんな嘘などつかない。
そしてその友達は私も知っているが、やはりそんな無駄な嘘をつくような人間ではない。
しかしこれをタムさんに語ると、「私のダンナの友達が」と、非常に胡散臭い響きになる。
あぁ、誰か経験者はいないものか。
いたのだEE:AEB80
やはりバンド仲間で、打ち上げで本人から直接聞いた。
タムさんもいた。
経験者はふたり。
一人は、家で電話をしていたら、そこにあったもの(バッグだったかな?)が突然飛んだという話。
もう一人は、葬式だかお通夜だかで、亡くなったおじいちゃんがその場に現れたと。
これはそこにいた人全員が目撃したから間違いではないと言う。
「そんなバカな。」でそこは済んでしまったが、私はいつかこの件をもっと追求したかったのだ。
長くなったが、そのチャンスがやっとやって来たということだ。
物が飛んだ件についてはけんもほろろだったので、今回は触れなかった。
おじいちゃんが来た件は、目撃者多数なのだ。そして証言した人物は、信用のおける人である。
私は斬り込んだ。
この間のあの話、ちゃんと本人の目撃談だったけど、あれはどうなのよ、と。
そう簡単に、認めるとは思っていなかった。
むしろどう返すのか、それが興味深かったのだ。
タムさんは言った。
「不思議だけど、何か説明がつく現象のはず。」
以上。
もう言い負かす自信ないですEE:AEB64
これは現物を見ていただくしかEE:AE5B1
という事で、心霊スポットツアーメンバー、募集中。
ダンナとタムさんは全然怖くないそうなので、ご一緒してくれる方。
何があっても責任は持てませんがEE:AEABF