人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子55歳。

泣けるほど会いたい人

合唱団の練習の休憩時間のことだ。

生放送のテレビ番組に木村拓哉がサプライズで出演した時、客席は騒然となったそうだ。

中には泣いている女の子もいたとかで、「泣く??出てきただけで泣くって、どういう感覚なんだろう??」という話になった。

「例えば、目の前に誰が出てきたら泣くと思う?」

そう振られて、考えた。

感激して泣くのだから、会いたい人だろう。それも相当に。

そしてまず会えないはずの人になるだろう。

ただ会いたい人なら何人もいるが、すぐに会えるなら泣きはしない。

ものすごく会いたくても、会えない人。

・・・・・・。

その人のことはまずおいておく。さすがに恥ずかしいからだ。

もうちょっと現実的な線で考えてみた。

会えない人。

物理的に距離がある人。

どこにいるか分からない人。

世界が違う人。

これに合致するのは、外国のミュージシャンぐらいだ。

しかし別に会いたいとは思わない。会ってどうするのだ、話が続かん。

なので泣けるほど感激はしない。会いたいと思わないからだ。

となると、私には「その人」以外に、涙して出会う可能性がある人間はいないということになる。

「ゲームのキャラクターなら絶対に会えるはずはないので、もし目の前にいたら泣くほど感激すると思います(思わず胸がホワ~ンとしてしまった)。」

「えっ、ゲーム・・・EE:AE5B1

やはりドン引きだったが、それに続いた彼女はこう言った。

「そういうのもいいんですか?じゃあ私は

バッハですEE:AE595

ば、バッハ。

そして恐るべき周りの反応は、「へー、バッハねぇ。」と、普通だったのである。

そればかりか、ナントカいう死んだ指揮者の名前が次々飛び出してきたのだ。

ソプラノ隊はバッハに会って涙する感覚は理解できても、私がバルフレアに会って涙することは理解できないようである。私には大して変わらないのだが。

この後バレエダンサー(存命)と続き、いよいよ私の居場所はなくなった感があるが、先生が思いがけずまともな答えを言った。大沢たかおである。

先生は実際に会ったことがあるらしいのだが、そのカッコ良さ、オーラ、存在感は物凄かったらしい。

その後に比較対象として出された木村拓哉など、やはり会ったことがあるらしいが、あれに比べれば普通の人間だというぐらいである。

こんな話をしているうちに、休憩時間は大きくオーバーした。

ちなみにこの話の前には、貧乳の悲劇について言い合っていた。

まるで女子高の休憩時間のようになっていたが、その日たった一人の男性であったもっきゅんは、聞こえていたのかいないのか、黙々と楽譜を読んでいた。

エテュード合唱団、男性も広く募集中。

合唱団ETUEDE